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見解・声明など | PDF

緊急声明

放射性廃棄物最終処分場「文献調査」に応募しないという対馬市長の決断を支持する

2023年9月27日、長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は、同市が放射性廃棄物最終処分場「文献調査」に応募しないという意向を、市議会に対して表明しました。私たち日本科学者会議は、比田勝市長の素晴らしい決断を評価するとともに、破綻した原子力エネルギー政策の「負の遺産」を押しつける国家プロジェクトに抗しての対馬市民の粘り強い努力に敬意を表します。

ことの発端は、本年6月、文献調査を求める人たちとそれに反対する人たちが、市議会にそれぞれ請願書を提出したことにあります。8月16日に開かれた最終の請願審査特別委員会は、文献調査を求める人たちが出した請願書を9対7で可決しました。これを受けた9月12日の市議会本会議での採決結果は、10対8でした。すなわち、市議会では賛否が拮抗したため、最終決断を委ねられた市長は市民の合意形成が不十分として応募しない考えを示したわけです。全般的に見れば、このような熟議過程は地方自治と民主主義のお手本といえます。それゆえ、日本政府は、対馬市長の決断を重く受け止めるべきです。

原発を推進する人たちおよび政府は、おそらく、反転攻勢を仕掛けてくるでしょう。一部では、対馬市の選択が地域エゴとでもいわんばかりの言説が流布するかもしれません。ほんとうは、周辺地域を犠牲にした国策こそが非難されねばならないのに。私たちは、透明性ある手続きと公衆参加による健全な世論形成を支持するとともに、放射性廃棄物問題の民主的解決のための模索を引き続き行う決意を、ここに表明します。

2023年10月2日
日本科学者会議原子力問題研究委員会
日本科学者会議長崎支部

statement/20231002san.txt · 最終更新: 2023/11/14 13:04 by mikasatoshiya

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