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見解・声明など | PDF

6人の日本学術会議会員候補をすみやかに任命することと、日本学術会議法を「改正」しないことを求めるアピール

日本科学者会議幹事会
2021年12月28日

日本学術会議が2020年8月31日に推薦した会員候補のうち6人の任命を、菅義偉・前首相が拒否してから1年が経過しました。この間、日本学術会議が推薦したにもかかわらず会員に任命されない、という違法な状態が続いています。そのため、日本学術会議は会員の定数を満たさず、当該領域の研究者が欠けた不正常な運営が続いています。

日本学術会議会員候補者の任命拒否の問題点は以下にあります。

第一に、菅前首相による任命拒否は、日本学術会議法に違反する行為です。

内閣総理大臣の学術会議会員任命権は形式的な権限であり、日本学術会議が推薦した候補者の任命を拒否したり、推薦されていない人を会員に任命したりすることのできる実質的な権限ではありません。日本学術会議法には、会員の任命について、①日本学術会議が「優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し」(第17条)、②内閣総理大臣は日本学術会議の「推薦に基づき」会員を任命することと定めています(第7条)。この法律が国会で審議された際、当時の中曽根康弘首相は「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と明言しました。

日本学術会議は、「わが国の科学者の内外に対する代表機関」として(第2条)、政府の諮問を受けて審議・答申するだけでなく(第4条)、「科学の振興及び技術の発達に関する方策」等について政府に勧告する権限が与えられており(第5条)、これらの職務を政府から「独立して」行うと定められています(第3条)。内閣総理大臣の任命権が形式的な権限にとどまるのはこのためです。

第二に、政府は、任命拒否について、適法な理由をあげて説明していません。前および現首相が任命拒否の理由を一切説明しないことも、また任命を拒否された6人が拒否理由を知るために行った個人情報開示請求に対して不開示を決定したことも、任命拒否自体が違法な行為であったことを表しています。

日本学術会議からの会員候補者の推薦に明白な瑕疵があったのであれば、内閣総理大臣は任命拒否についてその理由を明示すべきですが、菅・前首相はそれさえしませんでした。岸田首相には前任者が負った説明責任を引き継ぐ義務があります.

日本学術会議法は前文で、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし」て、日本学術会議を設立すると明記しています。これは、科学には、政府から独立した立場で平和や人類の福祉に貢献するという重要な社会的使命があることを確認しつつ、それを国の仕組みとして実現するために日本学術会議を設立することを定めたものです。

さらに政府は今回の任命拒否を反省するどころか、日本学術会議自体に問題があるかのような議論を展開し、日本学術会議の政府からの独立性を否定し、基本的性格を変質させる法「改正」を行おうとしています。法治国家である日本で、このような権力のおごりは許されるものではありません。

以上より,私たちは政府に対して以下のことを求めます。

  1. 6 人の任命拒否をただちに撤回し、すみやかに任命すること。
  2. 6 人を任命拒否した理由を説明すること。
  3. 日本学術会議の独立性を否定し、日本学術会議の基本的性格を変質させることにつながる、日本学術会議法の「改正」を行わないこと。
以上

日本科学者会議幹事会アピール「6人の日本学術会議会員候補をすみやかに任命することと、日本学術会議法を「改正」しないことを求めるアピール」への賛同署名に寄せられたメッセージ

学校教育は学術研究の成果を反映して行われるべきもの.学術会議は適正な研究成果を日本社会に還元する役目を果たすことで教育にも寄与する.全員の任命がないと特定分野だけ欠けてしまいます.

6人の任命拒否は違法であり日本学術会議に対する介入です.またそれは学問の自由に対する攻撃であり許されるものではありません.内閣総理大事は,すみやかに任命拒否を撤回し,任命すること.あわせて,同会議への介入をやめることをもとめます.

教育(教育基本法)と学問(日本学術会議法)は戦後日本の国家の在り方(日本国憲法)を根拠づける礎として成り立っている.教育基本法はすでに全面改定され,憲法の改定(改憲)攻勢が加速される中で,学術会議会員候補任命拒否の理由説明すらなされず何一つ解決を見ていないだけでなく,学術会議法の改定が検討される状況が進んでいる.これらの違憲・違法状態を速やかに解決することこそが政府の責任であると考える.

  1. 任命拒否は時の政権が行った,国家権力による一方的な現状変更である.このことは,非民主的な行為に値する.
  2. 最大の問題点は,任命拒否理由を明らかにせず,その経緯についても説明がないことである.
  3. 日本学術会議が創設された意義を改めて認識することが重要である.
  4. 科学者と対峙し議論することが重要であり,何もせず排除することは,結局は国家の歩みを妨げることに繋がりかねないものである.

日本学術会議は,日本の朝鮮・中国をはじめとする侵略戦争の反省に立って設立されたものと考えます.市民社会や地域社会,また国際社会との対話,交流などを担い,学術振興を推進する役割を担っています.しかしながら近年,日本の学術研究における状況は予算的にも乏しく,とくに若い研究者たちが展望を持てないのではと危惧します. そんな中で起きた6名の会員候補任命拒否は説明がないまま経過しており,さらに独立性が求められる日本学術会議法の「改正」が行われようとしていることは許されないことだと考えます.撤回を求めます.

すみやかに任命してください.

政権を握る人々が,きちんと法律を守ってください.

学問の自由の弾圧はファシズム国家への一里塚.明らかに憲法違反です.自由と民主主義を守ってください.恥を知れ!

任命拒否の理由を明らかにせよ.

ごまかさないで誠実に応えて下さい.

学術会議長の発信が弱い感じがする.これは戦争をはじめるはじまりであると過去が立証している.改正反対である.

政府に正しい事を堂々とものを言える人がなくなると又たび,戦争をおこすようになってしまう.日本の満州事変しかり,今回のウクライナに戦争をしかけたプーチンを見てもはっきりと言える.

任命拒否の理由の納得出来る説明をもとめる.

日本学術会議が推薦した学者の方々を任命し日本の研究や,学術会議の運営がスムーズにいくようにして下さい.学術会議は政府から独立したものであるべきです.会議法の改正には反対です.

「学問の自由」はなにより大切な一つです.科学者,研究者一人ひとりの力をいかす社会構築が不可欠です.政府は自らの誤りを反省して”是正”してください.

学問の自由に政治が介入すべきではありません.大学の自治が守られてこそ近代的自由,民主国家です.日本国政府は憲法を守り,(戦前のような悲劇は(300万人の死者等)二度とごめんです.)民主主義を守ってこそ世界から信頼される日本になると思います.真の平和を希望するものです.

日本学術会議は,現在違法状態にあります.内閣総理大臣は,恣意的な任命をすることしないことはできません.すみやかに6人の学術会議が推薦する候補を任命することを求めます.

学術会議の任命権は首相にはないことは明白である.それはあくまで学術会議が所有するものである.

民主主義,法治国家と自認するならば直ちにアピールに応えて下さい.

法治国家の長が違法行為状態を平然と続けていることに怒りが湧きます.すみやかに正常な状態にすること求めます.

日本の健全な科学の発展を妨げるもので6人の方を速やかに任命すべき.

任命拒否は不当です.直ちに任命するよう要求します.

菅内閣の行った日本学術会議会員6人の任命拒否は,日本学術会議法違反のみならず日本国憲法の第23条(学問の自由はこれを保障する)に反する暴挙であり,到底見過ごすことはできない.この間,1000を超える学会や学術団体が,この暴挙の撤回を求めてきたし,アカデミーの国際標準にもそぐわない行為であった.岸田内閣は,菅内閣の決定を撤回し,即座に6人を任命することを強く望む.日本の学術の世界的レベルの低下が喧伝されているが,任命拒否という政府の行為がそれに加担していることになっていることを自覚し,日本学術会議の果たしてきた役割,これから果たしていく役割を認識し,学術会議の組織変更などは行わないことこそ,日本の学術界の国際的地位を高めることになることを認識すべきである.

日本国憲法が禁止する思想・信条による差別そのものです.憲法遵守の原則を守ることを求めます.

説明責任を果たし,違法行為はやめてほしいです.

政府は学術会議が正常に機能するようにさせる責任があります.

違法状態が続いている学術会議任命問題を至急解決せよ.

6名の任命をただちに行うことを求めます.

日本国憲法では,内閣総理大臣は天皇により任命されることになっていますが,これは形式的な任命権です.同様に総理大臣の学術会議会員任命権も形式的なものです.すみやかな6名の任命を求めます.

中国やロシアのこと,批判できません.

法を守ってきちんと仕事をして下さい.

ロシアの科学アカデミーでは2013年から2018年にかけて大きなか「改革」が行われ,会長や会員の選出に大統領が露骨に介入できるようになった.国家権力のアカデミーへの介入と,クリミア併合(2014年)やウクライナへの侵攻(2022年)といった戦争を仕掛けていくことは一体のものであることが,ロシアの事例で示されている.日本政府の日本学術会議への介入も,戦争国家への道のりであると危惧する.

岸田首相は日本学術会議法にもとづいて,ただちに6名を任命すべきです.学術会議が推薦した6名を任命拒否したことは日本学術会議法に違反するだけでなく,憲法23条の学問の自由への甚だしい侵害です.このような無法は決して許されることではありません.

客観的な理由も示せず,任命拒否を続けている政府の行為は,全く道理を欠いている.任命拒否を直ちに撤回し,6名の方々に書面による誠意ある謝罪と政府公報,テレビ・新聞による書面の公開を求めます.

大学の塔に閉じこもらず,広く市民に開かれた学びを提供し,更に市民との幅広い対話を続けてくださる人たちで,私もよく講義をお聴きし,質問,対話のチャンスもありました.「学問の自由」は単に大学内の問題ではなく,広く市民,社会,そして国家が保持すべき内容です.その先に沿って更に平和の願いをもって発言して来た人を任命しないのは,内閣の権限の乱用です.

日本学術会議推せんの方々を国が任命拒否することはまるで戦前の治安維持法のような措置に思われます.

学術への弾圧は,安倍・菅政権の悪政の中でも最悪のものです.岸田政権はハト派の伝統を守り,政策を改めるよう求めます.

6人の任命を早くして下さい.任命しないことは適法ではありません.日本法治国家の名が泣きます.

速やかに任命拒否を撤回すべきです.任命拒否の理由を公表すめきことは,いうまでもありません.

ただちに6人を任命してください.

誰から見ても不合理ではないご判断をお願いします.

学術に対する権力による裁断は絶対に許せない.ただちに任命せよ.

6人の任命拒否をただちに撤回しすみやかに任命すること.

任命拒否の理由を何一つ語れない理不尽.すみやかに任命して下さい.

前政権が任命しなかった6人を早く学術会議会員に任命すべきです.時の政権に気に入らないからと,学問を選別しているようでは将来に禍根を残します.

6人の日本学術会議会員候補全員をすみやかに任命して下さい.

法を守るべき政府が平然として法を破ることに対して日本科学者会議会員として激しい憤りを覚え抗議します.

6人を早く任命して下さい.

会員任否の基準を明らかにしないまま,優秀な6人の会員候補を抹消しようとしています.すみやかに任命するよう求めます.”聞く耳”を持つ岸田総理だからこそ強く求めます.

科学に基づく政治を行うために日本学術会議の推薦した6名の候補の拒否を1日も早く改めるよう求めます.

任命拒否の理由が説明さえされていません.無視していれば過ぎ去ると思わないで下さい.

政治家の言動が「正しい」かどうかは事実に基づいているかどうかと,多数の人達を幸福にする方向のものであるかの二点であろうと考えています.それに対しても色々な意見,批判があり得るのですが,自由な意見のやり取りの中でその「正しさ」が検証されるはずです.検証できる理由もなしに人を排除するのは弾圧で,それは自由であるはずの日本国ではあってはなりません.

アピールに賛同し内閣総理大臣に次のことを求めます.

  1. 6名の会員候補者について速やかに会員に任命すること.
  2. 6名の任命をしなかった経緯と判断過程を明らかにし,国民に対する説明責任を果たすこと.
  3. 日本学術会議を所轄する者として,今後,同会議の独立性と自律性を尊重し,その侵害となるような会員選任過程への介入をしないこと.

政府の意のままにしようとする越権行為は許せません.理由を説明できない違法行為はすぐ改めて下さい.

日本は法治国家です.日本学術会議法に違反する行為は直ちに止めること.

この問題の本質は,学問の自由・憲法改悪阻止・戦争を阻止に結びつく大きな問題と考え,断固支持します.

日本の学術全体を大きくそこないます.

憲法に保障されている学問の独立・自由を順守するべきである.

国家が法律を守らなくなれば,社会の規範がくずれ独裁国家になってしまう.法に基づいて,学術会議会員候補6氏の任命を行うよう強く求めます.

市民に関わる研究,学んでいる科学者の意見を聞いて下さい.

はっきりとした理由を示さず任命を拒否したことは一般の私達でも違法と考えます.正当な理由を示して国民に納得するように説明してほしいと思います.

科学を軽視することになる任命拒否は許されません.岸田首相は直ちに6人の任命をすべきです.

学問は独立していてこそ未来への財産が残せます.目先の成果や政権への迎合を求めることはその国の未来を閉ざすことになると歴史が教えています.政府が学術会議の人選に介入し,基礎研究の予算をへらしつづけていることは,この国を愛し子どもたちの未来を案ずるものとしては許せません.

自らに都合悪しとして,権力を持ちて成すは,自らの墓穴を掘るに等しいことを自覚すべし.

学問研究の自由は,人類に必要であり,日本学術会議は,それを守る重要な存在です.

戦前の滝川事件などを想起させます.学問・思想の弾圧は,戦争へと続く暗黒政治の始まりです.断じて容認できません.

実力もないくせに学会を牛耳っていたボス連中たちを追放して,やっとの思いをして風通しの良い研究体制を作ったと思ったのに,政府はひどいことをする.ボスまがいの連中をさっさと追放しろ!

この問題は日本の民主主義と人権を根底から脅かすもので極めて重大な事態であると思います.

任命拒否が違憲・違法であることは明白です.学問の自由を壊す行為であり,直ちに撤回すべきです.政治家の役割は日本国憲法を守り,生かすことです.

学者・研究者の自主性・自立性を尊重しないということは,真理や事実をないがしろにするということにつながります.また市民全体の思想の自由を奪うことにもつながります.断じて許せません.

科学の健全な発展を願う一個人として,今回の日本学術会議の会員候補6名の任命拒否は全く許されません.日本が真に平和で豊かな社会を築く礎として,科学を発展させていくために日本学術会議が健全に運営されることを切に願います.

statement/20211228scj.txt · 最終更新: 2023/04/13 19:31 by michinobumaeda

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