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okinawa:20110311

2011年 東日本大震災

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JSAホームページに福島原発事故関連の解説記事が掲載されています。今後も随時アップされる予定です。

また、会員のページに入ると会員からの情報・意見が掲載されています。会員専用のページにはIDとパスワードが必要です。ご存じない方は支部事務局に照会して下されば個別にお答えします。

福岡支部が、今回の原発の事象に対応して、下記のパンフレットをスキャンしてPDF形式で公開しています。

JSA福岡核問題研究委員会編『原発事故-その時あなたはどうするか!?』(合同出版,1989年)


被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。「日本科学者会議緊急アピール」(3/15)とエネルギー・原子力問題研究委員会声明(3/16)を掲載します。


東北地方太平洋沖地震を契機とする福島原発の炉心損傷事故について

2011年3月11日14時46分ごろ発生したM9.0の巨大地震(平成23年東北地方太平洋沖地震)を契機に東京電力福島第一原子力発電所及び第二原子力発電所で冷却材喪失事故が起こり、事態は現在なお進行中である。これまでの情報によると、第二発電所で運転中であった、1,2,4号機はほぼ冷温停止に向かいつつあるが、第一発電所で運転中の1,2,3号機はいずれも停止の際の原子炉冷却に失敗した。1号機では13日13時ごろ、3号機では14日11時ごろ水素爆発が発生し原子炉建屋の一部が破壊された。また2号機では15日6時ごろ圧力抑制プール(サプレッション・チェンバー)付近で爆発があり格納容器の一部が破壊された可能性がある。こうした爆発などに伴い、周辺のモニタリングポストで数ミリシーベルト毎時の放射線量率が検出されている。政府は、こうした状況などを受けて、12日に第一発電所の半径20km圏内、第二発電所の半径10km圏内の住民に避難の指示を出した。14日には定期点検のため停止中であった4号機で火災、爆発があり、モニタリングポストも最高400ミリシーベルト毎時というきわめて高い値を検出した。15日には新たに第一発電所の半径20km~30km圏内の住民に対する屋内退避の指示も出されている。

今回の事故は、いずれも地震動により制御棒は挿入され、核分裂反応は停止したが、核分裂反応停止後の発熱(崩壊熱)の除去を行う冷却系が機能しなかったため、炉心の温度が上昇し、燃料被覆管と水が反応して水素を発生するなどの経過をたどる、典型的な冷却材喪失事故である。地震による外部電源喪失、冷却機能喪失などの事故の可能性は1990年に米国核規制委員会(NRC)が確率論的リスク評価の手法を用いて、発生確率が高いと警告していたシナリオ(NUREG-1150)に極めて近い形で進行している。また、1979年に発生したスリーマイル島原発事故は、地震が契機ではなかったものの軽水炉の典型的な冷却材喪失による重大事故(シビアアクシデント)であり、今回の事故は水素爆発の発生など、大変よく似た経過をたどっている。

今回の事故はM9.0という世界最大規模の地震の直撃という不運はあったものの、東京電力がこれまでの事故の教訓や警告を真剣に受け止めていれば、事態はより軽い経過をたどったものと考えられる。その意味で東京電力の責任は重い。

日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会はこれまでも地震と原発の危険性については繰り返し指摘・警告してきたが、電力各社や政府・規制当局は耳を傾けようとしなかった。現在事故が進行中なので、原子力政策や事故対応などの評価はおくとして、以下に、当面必要なことを述べる。

(1)事故情報の公表について;東京電力の事故情報の公表の遅滞については各方面からの批判が集中しており、政府はこのため同社との共同対策本部を立ち上げたとされる。同社の隠蔽体質は依然改められていない。生データは速やかに公表し、その評価は専門家にゆだねるべきである。

(2)上述したように過去における最大の冷却材喪失事故であるスリーマイル島原発事故の教訓を、これからの事故処理に生かすべきである。

(3)避難に関しても、推定されるリスク(被曝リスク)と避難によるディメリットとを明らかにして、そのバランスに立った上での説得力のある指示を出すべきである。

(4)事故解決の基本的方針を明らかにして、国民の協力を仰ぐべきである。

(5)当然、事故が収束した後の原子力発電の在り方が問題になる。我々はこれまでの原子力政策、企業の体質、原子力行政にあり方などに対して、改めて問題提起を行うが、「最低限、地震の発生が予想される立地サイトでの原発の即時廃止、老朽化原発の即時廃止を行うべき」であると考える。「のど元過ぎれば暑さを忘れる」というこれまでの原子力政策の愚を繰り返してはならない。その上で地震国日本での原子力利用について根源的な議論がなされるべきである。

2011年3月16日 日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員会

日本科学者会議緊急アピール

English

3月11日に東日本を襲った巨大地震と大津波によって、1万数千人とも推定される多くの住民が、尊い命を奪われたり、行方不明となっています。犠牲となられた方々に日本科学者会議として心より哀悼の意を表し、被災者の皆さんに心よりお見舞い申し上げます。多数の行方不明者の中から一人でも多くの方々が一刻も早く救出されることを、切に願っています。

被災地では45万人に達する人々が避難を余儀なくされ、それぞれに孤立した状況下で水、食料、暖房用の毛布・ストーブ等の欠乏・不足に苦しんでいます。被災者を救済しようという声が、いま日本中で急速に広がりつつあります。日本科学者会議としても組織をあげて災害実態の把握とそれを活かした救援活動に取り組む所存です。しかし、寒空の下で、水、医療資材、食料、燃料、衣類・防寒具など被災者の生存に最低限度必要な物資が決定的に不足しています。また、被災地では、停電が続く中で情報の収集発信がままならず、孤立した状態におかれています。国や地方自治体と民間企業等の総力を傾注して、急速かつ抜本的な救援態勢を構築する必要があります。例えば、現地に支社や店舗を持つ大企業の協力、日本海側航路や秋田県・山形県・青森県などで被害の軽微だった地域のインフラや陸送業者の活用など、可能なのに未着手のことがあります。日本政府の態勢はこの点で極めて不十分であり、緊急の対応を求めます。

また何より、東京電力福島第一原子力発電所において、複数の原子炉が同時に、日本で過去に起こったことのない、極めて重大な放射能漏れを発生させています。政府や事業者の極めて不十分な発表によっても、放射線防護に関わる炉の中枢部分の機能喪失さえも懸念される事態となっています。

日本政府と事業者は、今起こっている事態をすみやかに明らかにし、最悪の事態への進行を防ぐために何ができ、何をなすべきかを、全国・世界の英知を結集して検討し、実行していく責任があります。そして、住民に対して、事態の全容を分かりやすく説明し、今ある危険と今後事態が悪化する場合に取るべき対応について、十分な情報の提供と平易な説明を行う必要があります。

現状では、断片的な現場の情報と、避難・室内待避の指示が出されるだけであり、冷静な対処を首相が求めても、むしろ住民の不安は極限に達していると言えます。十分な情報提供と、事態や取るべき対応についての科学的かつ平明な説明こそが、パニックを防ぎ、デマ情報を無力化し、国民の冷静な行動と協力を可能にします。それは、世界の日本への信頼を取り戻す道でもあります。日本政府と事業者に対し、広報体制の抜本的な見直しを緊急に求めます。また、私たちを含む全国・世界の多様な分野の科学者に、協力を求める態勢をつくるべきであることを指摘するものです。

さらに、今回の大震災・大津波の被災状況の深刻さからみて、被災者の皆さんの生活の再建と安定化ならびに被災地の復興・再建には、日本政府による県や市町村などの地方自治体への全面的な復興支援が不可欠です。その際、阪神淡路大震災からの復興過程で多くの社会的弱者が取り残された経験から学んで、地域住民の生命と暮らしを最優先にした復興計画を策定することを、日本政府ならびに各地方自治体に強く要望するものです。

創設以来国民の生活向上のために科学を発展させることをめざしてきた日本科学者会議は、困難な中でも、まずは住民の生存と健康のため、さらには希望住民本位の復興計画の策定に向け、広範な専門領域の会員の英知を結集するものです。また、会員・非会員を問わず、全ての科学者と研究機関に対し、救援に可能な全力を傾注することを訴えます。

2011年3月15日 日本科学者会議

okinawa/20110311.txt · 最終更新: 2021/03/23 05:48 by 148.251.120.201

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