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jjs:readerscomments2023

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2023年

2023年1月号「科学技術コミュニケーションとシチズンサイエンス―専門家政治と民主政治の断裂を越えるために」を読んで

「科学の成果が市民の日常を左右するようになって久しく,またその影響は日々より甚大になっている」というのはまさにそのとおりだと思う. 専門家政治と民主政治についての著述も考えさせられた.多くの庶民があまりにも自然科学に疎いなら,それは民主主義の危機に陥ることになるだろう. この論文で,楽しさを強調しているがこれが本質ではないだろうか.大学を出てしまえば,あるいは理系でなければ高校をでてしまえば,自然科学と全く無縁だということになってしまいかねない. 最後に,研究に参加するということに触れられている.これは大切な視点であるが.私はそれ以前での段階で問題だと思う.原発を例にとるならば,裁判官が全く自然科学を知らなかったらまともな判決が下せるだろうか.統一協会を例にとるならば,科学的な知識があればインチキ宗教にのめり込むことはなかったのではないだろうか.国民に必要なことは科学的な高度な知識ではない.基礎学力があまりにも欠如していることが問題でなないか. (三重支部・菊谷秀臣)

2023年1月号特集「市民のための科学コミュニケーション」を読んで

私は学問的なサイエンスカフェそのものには興味がありませんでしたが,今回の特集を読んでサイエンスカフェのあり方について改めて考えさせられました. 私は昨年,佐渡島でサイエンスカフェを5回開催しました.佐渡の森林や植物の話題が中心で,1時間ほど私がプレゼンをして意見交換をしていますが,どちらかというと市民向けの情報提供(勉強会)で意見交換が少ない状況です.私からはプレゼンの途中でもいいから質問やお互いのディスカスをと催促していますが,一方的になりがちです.場所は一般のcafeを借り切って,平日の夜の開催です.参加者は年配者が多く,エコツアーやジオガイドの参加が特徴的です.毎回,10名程度の参加者で固定客は半数ぐらいで少しずつ入れ替わっていきます.参加費の中にドリンク代を含めているので,カフェにとっては短時間でまとまった収入になっていますし,時には新聞での告知もありますので宣伝にも一役買っているようです. 開催の情報はカフェのSNSや私のFacebook,これまで参加した人へのDMです.カフェにはプロジェクターやスクリーンが元々設置されていますので,パソコンさえ持っていけば気軽に実施をすることができます.参加者にできるだけ関心を持ってもらおうと,樹の枝や鹿の角など話題と関係するものを持っていきます. 1月のサイエンスカフェは,季節に合わせて雪と植物というテーマで準備していましたが,昨年末の大雪で佐渡市では1週間以上の停電が続きました.その原因が,タケ林の倒木が大きな原因とされていました.急遽,これもテーマに加えて準備をしました.話題がホットであったためか30名もの参加者があり,意見交換も活発に行われました.SDGsの島,佐渡島(SaDoGaShima)からの情報提供でした. (新潟支部・崎尾均)

2023年1月号 伊藤久徳「「弱者」を主語に」を読んで

非対称関係Ⅰと同Ⅱという2分類が興味深かった.非対称関係ⅠのSC(Science Communication) と教育(初等中等教育と大学教育)が同じ範疇であるという指摘は少々気になった.「教育」における教師・教員と生徒・学生の関係を上下関係・強者弱者関係と位置づけることに違和感があるからである. 評者も「人材」,「人材育成」などという言葉を使うたび,何かもっと適切な言葉は無いのか,という違和感を持つ.筆者はこれに対して「人の育ち支援」を提案されている.和英辞書などには parsons of talent, human resources,manpower,あるいは,cultivation of human resources,training of personnel などとある.これらは,評者の持っている「人材」「人材育成」の語感とはかなり異なっている気がする.「教育」とは何か,「人材」,「人材育成」とは何か,浅薄な知識しかなく困惑している状態である. (福井支部・小倉久和)

jjs/readerscomments2023.1679702303.txt.gz · 最終更新: 2023/03/25 08:58 by michinobumaeda

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