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jjs:readerscomments2024

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2024年

今後の特集について

2024年4月,川勝平太静岡県知事が辞職したことはショックでした.数年前に,リニア問題を知って以降,それまでにため続けていた関連記事を数回にわたり,リニアの工事を阻止して下さっているお礼の意味を込めて,支援の言葉を添えて同氏にお送りしたことがあります. JSAは「どうなる?リニア中央新幹線 ーその必要性,採算性,安全性を科学の目で考えるー」(2016年9月号)「リニア中央新幹線計画の中止を求める」(2022年11月号)によってリニアの非を訴えています.生命倫理感,後世への責任感のある科学者諸氏がそれぞれの専門的視野からのリニア反対論を展開して下さいました.これらに反論できる人はいないでしょう.斯界発の最新情報を結集させたこの2冊に加え,リニア新幹線建設の愚かさを再度,世に訴えて下さい.国土の自然を大破壊し,後世に適正処分不可の膨大な量の廃棄物を押し付けるという意味では不可逆的な悪をもたらす犯罪的所業で,利するのは建設関係者のみの愚策です. 完成時期の延期を余儀なくされ,今こそ,「地球保全と平和追求を旨とする科学者組織」の主張として,既刊の2冊を増刷,宣伝,販売し世に問い直し,JSAの本領を発揮して下さい. (東京支部・中嶋由美子)

2月号 スズキ・ケンジ・ステファン「デンマークにおける自然エネルギー導入への市民参加と教育」を読んで

デンマークではコペンハーゲンのCOP15の折,計画して環境関係の研修を受けさせてもらった.デンマークは,(1970年代の)オイルショック以降,問題に取り組み始め,原発という選択肢もあったが,それは危険だという意見も出て,原発のメリット,デメリットのパンフレットを作成して,国民全員に配布し10年間検討してやめたと聞いた.あわせて,風力発電の実証実験を積み重ねていった.「大事だけれど難しいというような目標を最初からあきらめるというメンタリティはデンマークにはない」というお話であった.日本のように多様な自然エネルギー源がある国ではなくて,デンマークは平らな国なので,水力発電や地熱発電はできない.冬の日照時間もすくない.それでも現在,エネルギーの7割を再エネでつくっている.デンマークにできて,日本にできないのはおかしい.  (東京支部・奥田さが子)

1月号特集「発達障害の研究は今─当事者の語りを軸にして」を読んで

発達障害の症状に本人が苦しんでいるけれど,親がその事実を認めようとしない場合は,けっこうあるのではないか.明らかな特性が無くても,グレーゾーンである場合,どう対応すればいいのだろうか.学生でそういった傾向が見られる場合,対応を丁寧にするようにしているが,日々,考える機会を持つことは大事だと思った.  取りあげられていた病院の話で思ったのは,日本は病床数がやたら多いが,人口あたりの医師の数はOECDでは最低レベルらしいということである.看護師もそうだ.とりわけ人口当たりの精神病院の病床数が多いという点も,差別の構造を思わせる.人が見たくないものを見せないようにつめこんでいく.刑務所のように,つめこまれるからこそ,本人の気が滅入ってしまう.拘禁症状のせいで,かえって自立が阻害され,だからこそまた社会に復帰するのが難しくなる.言葉は悪いかもしれないけれど,収容所状態ではないか.医療現場であるからこそ,本人が何を望んでいるかを掴むことが重要で,大事な指摘だからさらっと書かないで,大事だともっと書いて欲しかった.  この特集は9月号のインクルーシブ教育からつながっていると思っていて,海外の教育事情を知りたいと思った.海外の事例など,この特集の第二弾で,海外の進んでいるところ,進んでいないところを参考にしたい.日本だけなので,イメージしづらい側面があった.日本の抱える問題であることは分かるけれど,他国と比較し,どのような点が問題なのかを知りたい.       (東京支部・土肥有理)

1月号特集 漆葉成彦「精神科医療機関における発達障害診療の課題―過剰診断と過小診断について」を読んで

いままで何となく捉えていた「発達障害」について歴史や分類・症状などを詳しく解説してあり興味深く読んだ.しかも,「発達障害に特有の生物学的指標が未だ見つかっておらず,定型発達と発達障害を明確に区分することは困難」ということを知り驚いた. (太田和子・岐阜支部)

1月号特集 伊田勝憲「発達障害等の排除と包摂をめぐる課題―「通常の学級」における学習面での困難に着目して」を読んで

9月号のインクルーシブ教育の特集でも,問題のある児童は特別支援学級に排除されてしまうことが問題になっていたが,色々な統計を使ってその実態を追っているところが興味深かった.しかし,本論文では推察になっていたので,困難ではあろうが,追跡調査のような形で実態調査ができると良いと思った. (太田和子・岐阜支部)

1月号特集 近藤真理子「大学における学生支援から発達障害を捉えなおす」を読んで

大学全入時代ということかもしれないが,それほどまでして大学に行かなければならないのだろうか.高校も大学も義務教育ではないはずで,勉強が嫌いなのになぜ大学へ行くのだろうか.といっても,発達障害であったら大学へ行かないのが良いと言っているわけではない.大学は何のためにあるのかを根本から問い直すことも大切ではないかと思った. (菊谷秀臣・三重支部)

私の通う大学には,多国籍の学生が多く在籍している.キャンパス内で外国籍の学生の言葉の違いや文化の違いを実感することがしばしばある.この様な時に,文化や価値観の多様性を認めていくことが重要だと感じる. 私が大学で発達障害の人と接する上でも,多様性を認めるという点では同様な心構えが必要だと思う.具体的には,相手のペースに合わせる,ある程度の間(ま)を取り,情報を理解する時間を作るよう心がけるなどである. 私は他者の不得意な部分を見るのではなく,その人が得意なことに目を向けて関わり,その人のよさを見つけることを心がけてきた.他者を否定せず認めること,相手と関わる距離感を考えて接してきた. 発達障害の人は,全てのことが苦手でできないわけではない.苦手なことをサポートして,良いところを伸ばしていくという接し方が重要である. 私自身大学での学びを通して,発達障害も一つの個性だと捉えるようになった.全てを障害というものにしてしまわず,その人の個性として認めることによって,生きやすく優しい社会になると思う. 発達障害者への配慮と多文化共生の考え方には多くの共通点があることに気付くことができた.他者とは違う部分を持つ私も,一つの個性として共生していこうと思った. (福島大・大阪)

1月号特集 奥田雅史「当事者の声から考える発達障害当事者の就業―まさし・みお・さき・ゆうじの声から」を読んで

発達障害者については,その程度がどのくらいかを考える必要があるのではないだろうか.発達障害という認識があまり広がっていなかった時には,なんとか問題を抱えながらも社会生活を送ってきた人もあったであろう.この論文でも指摘されているように,「適材適所でうまく使ってもらえると定型発達の人よりも成果をだせることも少なくない」に注目したい.発達障害をただ障害とみなすのではなく,ある面これは個性なのだととらえ,適材適所におかれるような工夫も必要かと思う. (菊谷秀臣・三重支部)

1月号特集 山田恭子「自閉症の作業療法臨床」を読んで

作業療法の大切さがよくわかる論文であった.こういうきめ細かい作業を通して人間として成長できることを願うばかりである. (菊谷秀臣・三重支部)

1月号特集 米澤好史「愛着障害と発達障害の違いと関係―愛着障害支援の立場から」を読んで

この論文で初めて愛着障害という概念を知った.論文にもあるように,発達障害との違いを見分けることが大切になるであろう.論文では,愛着障害を「関係性の障害」と「感情発達の障害」ととらえている.これは生まれつきではなく,後天的なものだという.ということは,子どもの愛着障害が環境によって形成されたことを意味する.それではこれに対してどう支援すればよいのか,それは子どもに受け入れ装置を作りながらの支援をすることであると論文は続けて述べている.これは大切な視点ではないかと思った.最後の,「傾聴」は効果がないばかりか感情混乱を引き起こすという記述が意外なことだという印象を受けた.この事について少し説明が欲しいと感じた. (菊谷秀臣・三重支部)

jjs/readerscomments2024.txt · 最終更新: 2024/05/09 21:45 by mikasatoshiya

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