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jjs:readerscomments2023

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jjs:readerscomments2023 [2023/11/17 13:17] mikasatoshiyajjs:readerscomments2023 [2024/02/19 00:58] (現在) mikasatoshiya
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 ====== 2023年 ====== ====== 2023年 ======
 +<HTML><h2><a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2023contents.html#m2023-11">2023年11月号</a>特集「平和を望むなら平和に備えよ」 三宅裕一郎「軍事力依存という呪縛からの脱却に向けて―軍事力によらない平和の構想」を読んで</h2></HTML>
 +軍拡競争は長期的にみて不利益であって,戦争を起こさないための外交努力が必要なのはその通りだと思う.ただ,事例に出されているウクライナは,それなりの軍事国家だと思う.
 +平和と戦争という視点にも,階級という視座が必要だ.侵略する側にしてもされた側にしても直接亡くなったりはもちろん,生活への影響にしても弱い立場の負担が大きい.階級的視座から,軍事でない道も必要なのだが,実際に侵略戦争を受けた場合にも,抗戦によって決着をつけるというよりは,法的手続きによって本来解決する道筋をつくる国際社会をつくっていかないと,抗戦すること以外の手法が模索されていかないといけないと思った.軍拡競争からの脱却はもちろん,侵略を受けた場合でも戦争以外の道筋で解決させる道筋をつくらないといけない.
 +(東京支部・川口力丸)
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 +2023年11月号特集論文 金子勝「21世紀の平和理論と日本国憲法」を読んで
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 +ここに記載されていることは,間違っているというわけではない.しかし,日本国憲法を世界のどれだけの人が知っているのだろうか.世界の状況は日本国憲法によって動いているのではない.戦争と平和の問題は国際法が大きくかかわっているのだ.
 +本論文でも国際法について触れられているので,これは考慮する必要がある.自衛戦争を違法とする国際法を制定することが不可欠というなら,ロシアによるウクライナはどういうことになるのか.ウクライナは自衛のための戦争をしてはいけないことになる.中国人民解放軍が沖縄を攻撃しながら侵略してきても日本は自衛の権利を行使してはならないことになる.これでは,日本国民の支持は得られないだろう.国連憲章は第2条4項で絶対平和主義を打ち出している.これは自衛のための戦争もいけないという条文である.本論文は自衛戦争を違法とする国際法を提唱しているが,国連憲章ではそれが明記されているのである.しかし,だからといって侵略という事態が起こらないとは限らないので,国際連合憲章42条で集団安全保障を明記している.しかし,この42条が効力を発揮する前に惨劇は起こってしまうこともある.一方的占領という事態になる恐れもある.そこで,集団安全保障が働く前に行使されるのが国連憲章51条による個別的自衛権と集団的自衛権である.侵略に対しては,自国でこれに対抗しなければならない.しかしその力がないということであれば,それに対抗するためにとられる対応策が集団的自衛権なのである.
 +安保法制はこの国連憲章51条の集団的自衛権に根拠をおいて制定されている.だから,集団的自衛権を法制化した安保法は国連憲章にのっとっているのである.戦争と平和を考えるなら,憲法ではなく国際法で対処しなければならない..
 +私が心配しているのは,憲法9条さえあれば絶対に戦争にはならないと考えている人々がいることだ.これが事実であるのなら,どこの国でも,より力の弱い国であればなおさら9条を憲法に取り入れるだろう.ウクライナに9条がありさえすればロシアはウクライナに侵略しなかったことになる.しかしそれはとても認めることはできない.戦争は国際的なもので,国内法で解決できるものではないだろう.9条があるから中国は尖閣に来ないで下さいと9条の会が中国に言えば中国はこないだろうか.
 +私たちは空想的平和主義者であってはならない.そのためにも,企画として「国際法」をお願いしたいと思っている.
 +(三重支部・菊谷秀臣)
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 +<HTML><h2><a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2023contents.html#m2023-10">2023年10月号</a> 藤田安一「今こそ「国家の安全保障」から『人間安全保障』への転換を」を読んで</h2></HTML>
 +国家の安全保障,人間の安全保障が大事だとは分かっていたし,うっすらと理解はしていたけれど,国家の安全保障とそれに対立する人間の安全保障がまとまって情報提供されていることが分かって,自分としては整理ができた.自分の理解では「国家の」安全保障とは「国家のための」であって,リバタリアン的な国家を否定することによる自由ではなくて,「国家による」人間のための安全保障というのがあるんだなということを考えさせられた.コロナをつなげて理解できているかは怪しいけれども,その点について勉強になった.
 +(東京・小泉洋樹)
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 +2023年10月号 小林緑「ポリーヌに魅せられて-社会システム転換と医療整備」を読んで
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 +テーマに比して軽快で,思わず引き込まれてしまった.氏の分野が「音楽とジェンダー」とあり評者には,関心はあるがかなり遠い世界で,殆ど知らない分野である.『ポリーヌに魅せられて』は手元になく読んでないが,小林氏に興味がわいてネットで検索すると,NPJ通信というサイトにこの談話室と同様のテーマで,2008年から2014年まで興味深い論考が幾つも掲載されていた.別のサイトでは,NHKの経営委員会委員に任命され,2期(2001~07年)務められていて,当時の海老沢勝二会長の3期目に強く反対したが氏の発言は無かったことにされたこと,経営委員退任後にも,安倍首相が送り込んだ安倍応援団を公言する経営委員(長谷川三千代,百田尚樹の各氏)が,あの籾井勝人会長を選出したことを批判したことなどが紹介されていた.これらの批判も非常に説得力を持って表現されている.このような氏の文章にはあこがれるが,残念ながら高すぎて峰がかすんでいる.
 +(小倉久和 福井支部)
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 +2023年10月号 保母武彦「地域発展と自治体の役割」を読んで
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 +COVID-19流行時の保健・医療業務の崩壊状態,経済的弱者層への被害集中は行政改革とアベノミクスによる人災,ポストコロナの時代は「地域医療構想」の再構築など地方分権を活用・活性化させ,新しい地域づくりが必要との課題提起である.かつていくつかの自治体の政策づくりに参加した経験からいえば,国の示してきた方針に沿った改革をやらなくては補助金が受けられないなどで結論ありきの議論が進められ,コンサル業者がマニュアルを持ちこんで文書づくりを補佐(リード)する動きまで見られ,地方自治はどこにある?と思わせられることも多かった.こうした圧力をはねかえして「内発的発展」(p.18,多田論文)を実現する住民運動の事例が保健・医療・福祉分野でも提示されれば励ましとなると思う.大震災時の神戸での市職員や教職員の懸命な働きを想い起し,コロナ禍でも同様の働きが命を守ったと思う.働きが報われる職場づくりを望みたい.
 +(京都支部・清水民子)
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 +<HTML><h2><a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2023contents.html#m2023-09">9月号</a>特集「日本におけるインクルーシブ教育の動向と発達保障」を読んで</h2></HTML>
 +「インクルーシブな社会とは何か,排他しない社会にはどういう構造が必要なのか」という部分を本特集でもっと追及して欲しかった.「2022年4月27日文科省局長通知」は,この分野に詳しい読者には常識かもしれないが,この分野に詳しくない読者には何が問題なのか分かりにくかった.
 +しかし,石垣雅也「通常学級におけるインクルーシブ教育と発達保障」は,現場の実践にも触れており,とても具体的でわかりやすかった.実際の教育現場では,授業の画一化が進んでいて,インクルーシブ教育どころではなくなっているようだ.子どもの学習の事実に注目していこうという教師の実践や学びあいが,現実を変えていく希望だと思う.もちろん,少人数教育・教員の増員など環境の改善も車の両輪として重要だと思う.
 +加茂勇「21世紀の障害児をめぐる教育の変化と課題‐発達障害児から肢体不自由児までの子どもの姿を通して」では,文末の注の中で用語解説をしてくれていて,専門外の読者である私にとってはありがたかった.特殊教育から特別支援教育に変化していった歴史の解説がよかった.通常教育のゆがみや学校で起こるトラブルに対する安全装置として,支援学級が利用されているというところがショックであった.これは分断であり,インクルーシブ教育ではないと思う.
 +(岐阜支部・太田和子)
 +このような教育分野を私は殆ど知らなかった.新生児・幼児から大学までの教育とりわけ公教育が,「新自由主義」のもと,教諭・教員・運営スタッフや予算および制度は貧弱化し,その結果,保育園・幼稚園(こども園)から大学まで,教育はますます弱体化してきている.公立の入試まで民間に丸投げするに至り,これは「亡国への道」である,と内心憂いていたが,本号で特集されたインクルーシブ教育分野ですら「公から民へ」の方針が貫徹してきているのに非常に驚いた.「亡国のゴール」が見えてきているのではないかとすら思ってしまう.
 +(福井支部・小倉久和)
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 +2023年9月号 近藤真理子「不登校児童生徒の増加の背景とインクルーシブ教育」を読んで
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 +近藤論文の指摘から,不登校児童・生徒が増加しているきっかけの半数が,無気力や不安に占められている点について,その原因にコロナ禍の影響やいじめを含む人間関係もあるが,校則の厳しさもあるのではないかと思った.また「発達障がいがある子に対して支援学級で学習させれば支援をしたということにはならない」と指摘にあるが,私も同じように障がいのある子が必要としている支援を理解し,生徒同士で助け合いながら学習に参加できるようにしていくのが大切だと思った.だからといって無理やり教室で授業を受けても本人にとっては辛い苦しいと思うかもしれないのでその配慮も必要だと感じた.
 +(大阪支部・黒河一歩)
  
 <HTML><h2><a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2023contents.html#m2023-08">2023年8月号</a> 下田正「核兵器とは―文系学生たちに語ってきたこと」を読んで</h2></HTML> <HTML><h2><a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2023contents.html#m2023-08">2023年8月号</a> 下田正「核兵器とは―文系学生たちに語ってきたこと」を読んで</h2></HTML>
jjs/readerscomments2023.1700194629.txt.gz · 最終更新: 2023/11/17 13:17 by mikasatoshiya

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