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+ | 特集の特に前半を読んで,原爆の黒い雨訴訟にしてもそうだが,機械的に「ここまで降った」と区切ることで,補償をするしないを区切る.実際に被害を受けた人がいるにもかかわらず補償しない.原発事故の時に東電が補償をしたけれども,原発から何km(30 km,60 km…)という形で,一回ぽっきりの補償金を行った.お金の問題ではないのだけれど,母の実家が福島で,原発から60 kmほどで,8万円の補償だった.家にひびが入ったので8万円では足りなかった.親戚はりんご農家だったが,1年間の作付け禁止だった.そのような問題があるのに,なぜ機械的に区切るのか. | ||
+ | (東京支部・土肥有理) | ||
+ | 私が大学の教員だった時に公害問題に関する講義をしていたので,非常に関心を持って読みました.10数年前に富山大学で学会があったときに,当時の学長が挨拶で「富山県はイタイイタイ病で有名だが,今は市民の調査で神通川がきれいになっている.」との話をしていて印象に残っていましたが,今回の論文でその詳しいことを知ることができました.まだまだ,世界では,途上国を中心に重金属の公害が問題になっているので,このような画期的な対策が普及していくようになるといいと思いました. | ||
+ | また,この次の水俣病の論文を読んで,イタイイタイ病の被害者補償では問題は起こらなかったのか知りたいと思いました. | ||
+ | (岐阜支部・太田和子) | ||
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+ | 2023年12月号 横畑泰志「富山県内における自然保護運動と行政の関係の変化」を読んで | ||
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+ | ここでは今まではあまり見られなかった行政と企業,市民団体が協力して保護運動に取り組む姿が記述され未来に明るい展望を感じた.それは自然保護が特定の住民のためではなく,あらゆる人にとっても守り抜かねばならない貴重な財産であるという立場をすべての人々が共有できたからである.これからの活動に期待し,自然保護の模範となることができたらよいと思った. | ||
+ | (三重支部・菊谷秀臣) | ||
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+ | 2023年11月号特集論文 金子勝「21世紀の平和理論と日本国憲法」を読んで | ||
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+ | ここに記載されていることは,間違っているというわけではない.しかし,日本国憲法を世界のどれだけの人が知っているのだろうか.世界の状況は日本国憲法によって動いているのではない.戦争と平和の問題は国際法が大きくかかわっているのだ. | ||
+ | 本論文でも国際法について触れられているので,これは考慮する必要がある.自衛戦争を違法とする国際法を制定することが不可欠というなら,ロシアによるウクライナはどういうことになるのか.ウクライナは自衛のための戦争をしてはいけないことになる.中国人民解放軍が沖縄を攻撃しながら侵略してきても日本は自衛の権利を行使してはならないことになる.これでは,日本国民の支持は得られないだろう.国連憲章は第2条4項で絶対平和主義を打ち出している.これは自衛のための戦争もいけないという条文である.本論文は自衛戦争を違法とする国際法を提唱しているが,国連憲章ではそれが明記されているのである.しかし,だからといって侵略という事態が起こらないとは限らないので,国際連合憲章42条で集団安全保障を明記している.しかし,この42条が効力を発揮する前に惨劇は起こってしまうこともある.一方的占領という事態になる恐れもある.そこで,集団安全保障が働く前に行使されるのが国連憲章51条による個別的自衛権と集団的自衛権である.侵略に対しては,自国でこれに対抗しなければならない.しかしその力がないということであれば,それに対抗するためにとられる対応策が集団的自衛権なのである. | ||
+ | 安保法制はこの国連憲章51条の集団的自衛権に根拠をおいて制定されている.だから,集団的自衛権を法制化した安保法は国連憲章にのっとっているのである.戦争と平和を考えるなら,憲法ではなく国際法で対処しなければならない.. | ||
+ | 私が心配しているのは,憲法9条さえあれば絶対に戦争にはならないと考えている人々がいることだ.これが事実であるのなら,どこの国でも,より力の弱い国であればなおさら9条を憲法に取り入れるだろう.ウクライナに9条がありさえすればロシアはウクライナに侵略しなかったことになる.しかしそれはとても認めることはできない.戦争は国際的なもので,国内法で解決できるものではないだろう.9条があるから中国は尖閣に来ないで下さいと9条の会が中国に言えば中国はこないだろうか. | ||
+ | 私たちは空想的平和主義者であってはならない.そのためにも,企画として「国際法」をお願いしたいと思っている. | ||
+ | (三重支部・菊谷秀臣) | ||
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+ | 国家の安全保障,人間の安全保障が大事だとは分かっていたし,うっすらと理解はしていたけれど,国家の安全保障とそれに対立する人間の安全保障がまとまって情報提供されていることが分かって,自分としては整理ができた.自分の理解では「国家の」安全保障とは「国家のための」であって,リバタリアン的な国家を否定することによる自由ではなくて,「国家による」人間のための安全保障というのがあるんだなということを考えさせられた.コロナをつなげて理解できているかは怪しいけれども,その点について勉強になった. | ||
+ | (東京・小泉洋樹) | ||
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+ | 2023年10月号 小林緑「ポリーヌに魅せられて-社会システム転換と医療整備」を読んで | ||
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+ | テーマに比して軽快で,思わず引き込まれてしまった.氏の分野が「音楽とジェンダー」とあり評者には,関心はあるがかなり遠い世界で,殆ど知らない分野である.『ポリーヌに魅せられて』は手元になく読んでないが,小林氏に興味がわいてネットで検索すると,NPJ通信というサイトにこの談話室と同様のテーマで,2008年から2014年まで興味深い論考が幾つも掲載されていた.別のサイトでは,NHKの経営委員会委員に任命され,2期(2001~07年)務められていて,当時の海老沢勝二会長の3期目に強く反対したが氏の発言は無かったことにされたこと,経営委員退任後にも,安倍首相が送り込んだ安倍応援団を公言する経営委員(長谷川三千代,百田尚樹の各氏)が,あの籾井勝人会長を選出したことを批判したことなどが紹介されていた.これらの批判も非常に説得力を持って表現されている.このような氏の文章にはあこがれるが,残念ながら高すぎて峰がかすんでいる. | ||
+ | (小倉久和 福井支部) | ||
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+ | 2023年10月号 保母武彦「地域発展と自治体の役割」を読んで | ||
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+ | COVID-19流行時の保健・医療業務の崩壊状態,経済的弱者層への被害集中は行政改革とアベノミクスによる人災,ポストコロナの時代は「地域医療構想」の再構築など地方分権を活用・活性化させ,新しい地域づくりが必要との課題提起である.かつていくつかの自治体の政策づくりに参加した経験からいえば,国の示してきた方針に沿った改革をやらなくては補助金が受けられないなどで結論ありきの議論が進められ,コンサル業者がマニュアルを持ちこんで文書づくりを補佐(リード)する動きまで見られ,地方自治はどこにある?と思わせられることも多かった.こうした圧力をはねかえして「内発的発展」(p.18,多田論文)を実現する住民運動の事例が保健・医療・福祉分野でも提示されれば励ましとなると思う.大震災時の神戸での市職員や教職員の懸命な働きを想い起し,コロナ禍でも同様の働きが命を守ったと思う.働きが報われる職場づくりを望みたい. | ||
+ | (京都支部・清水民子) | ||
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+ | 「インクルーシブな社会とは何か,排他しない社会にはどういう構造が必要なのか」という部分を本特集でもっと追及して欲しかった.「2022年4月27日文科省局長通知」は,この分野に詳しい読者には常識かもしれないが,この分野に詳しくない読者には何が問題なのか分かりにくかった. | ||
+ | しかし,石垣雅也「通常学級におけるインクルーシブ教育と発達保障」は, | ||
+ | 加茂勇「21世紀の障害児をめぐる教育の変化と課題‐発達障害児から肢体不自由児までの子どもの姿を通して」では, | ||
+ | (岐阜支部・太田和子) | ||
+ | このような教育分野を私は殆ど知らなかった.新生児・幼児から大学までの教育とりわけ公教育が,「新自由主義」のもと,教諭・教員・運営スタッフや予算および制度は貧弱化し,その結果,保育園・幼稚園(こども園)から大学まで,教育はますます弱体化してきている.公立の入試まで民間に丸投げするに至り,これは「亡国への道」である,と内心憂いていたが,本号で特集されたインクルーシブ教育分野ですら「公から民へ」の方針が貫徹してきているのに非常に驚いた.「亡国のゴール」が見えてきているのではないかとすら思ってしまう. | ||
+ | (福井支部・小倉久和) | ||
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+ | 2023年9月号 近藤真理子「不登校児童生徒の増加の背景とインクルーシブ教育」を読んで | ||
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+ | 近藤論文の指摘から,不登校児童・生徒が増加しているきっかけの半数が,無気力や不安に占められている点について,その原因にコロナ禍の影響やいじめを含む人間関係もあるが,校則の厳しさもあるのではないかと思った.また「発達障がいがある子に対して支援学級で学習させれば支援をしたということにはならない」と指摘にあるが,私も同じように障がいのある子が必要としている支援を理解し,生徒同士で助け合いながら学習に参加できるようにしていくのが大切だと思った.だからといって無理やり教室で授業を受けても本人にとっては辛い苦しいと思うかもしれないのでその配慮も必要だと感じた. | ||
+ | (大阪支部・黒河一歩) | ||
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+ | 本論文が指摘しているのは,核兵器に反対している学生の核に対する知識のなさが問題ということだろう.こういうことは,核兵器に対する知識ということだけでなく,いろいろな分野でも取り上げられる必要があるのではないだろうか. | ||
+ | 物事を解決していくためには,熱い心だけではなく解決できるための冷静な頭がいる.まさに,「知は力である」ということを忘れてはならないことを論文は示唆している. | ||
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+ | (三重支部・菊谷秀臣) | ||
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+ | 下田氏の書かれたものはよくできているが,ヴァイツゼッカーの評価についてナチスドイツの外務次官の息子ということだけでは誤解を生む. | ||
+ | 『自然』1977年2月号「ハイゼンベルクの物理学」p37,『数理科学』2012年9月号 特集ハイゼンベルクなど参照.言うまでもなく『部分と全体』(みすず書房,1974年)は必読文献.中でもp.350「政治と科学における論争―1956―1957年」. | ||
+ | 西独の核武装化に反対してハイゼンベルクらとともに最も中心的に運動したり,父の評価についても,弁護の意見書も評価されるものがある. | ||
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+ | (愛知支部・牛田憲行) | ||
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+ | 私も数年前に小さい私立大学の教養教育の教員をしていて,大学の教養改革のころは教養教育学会(後の大学教育学会)に参加して,「あるべき大学教育とは」などの大学教育について考えていました.しかし,その後改革の名のもとに,教養教育は軽視され,縮小されていったように思います.勤務していた大学でも少子化のもとで大学存続のために,知識詰込み,資格取得重視,国家試験中心の専門学校化していったように感じます.ぜひ大学の教育や学生の変化などについても特集してください. | ||
+ | 数日前のNHKのクローズアップ現代で広島の平和教育の資料からはだしのゲンをはずしたことについて放送していましたが,教員に取材した中で,あえて教育委員会の方針に反対しないと言っていたのが気になりました.岐阜支部ではかつては高校教員の方もJSA に参加して民主的な教育活動に熱心でした.現状はよくわかりませんが,今は個々の教員が多忙の中ばらばらで,上に管理されているのかなあという印象を持ちました.そういうことが,高校教育にも影響しているのではないかと読書会を聞いて思いました. | ||
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+ | (岐阜支部・太田和子) | ||
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(福井支部・小倉久和) | (福井支部・小倉久和) | ||
- | 本特集は勉強意欲を掻き立てるもので,分かるように書くというのも分かるけれども,これを契機に読者が勉強するというのは良いと思うので,こういう特集を肯定的に捉えている. | ||
- | 池内さんの記事にあるように,軍事研究との関連で情報が非公開になってしまうというのは非常に不利益が大きいと感じている.色々な人の違った立場での観測・考えは,間違っているものも含めて,それが後の時代にやっと整理されて科学的な理解を助けることがある.宇宙の観測は未知なものが多いので,いつ何がどのようにして事物の理解につながるかわからないのだろう.現代の宇宙観測でとらえられた現象は,現在わからなくとも,のちに重要なものになったりするのだと思う. | ||
- | (東京支部・川口力丸) | ||
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(愛知支部・菊谷秀臣) | (愛知支部・菊谷秀臣) | ||
- | 2023年6月号特集「教育の自由,学ぶ権利を取り戻す」を読んで | ||
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- | 大阪の事例が多く取り上げられているけれど,大阪にとどまらず,GIGAスクールも論じられていて,ナショナルなレベルとローカルなレベルが混ざった議論になっているので,整理して論じる必要性があった. | ||
- | 大阪の教育行政がひどい,ということについては同意をするけれども,歴史的には貧困地域もあって格差がひどい状態で,競争主義的競争をやっているという二重の問題がある.その二重性を踏まえ,大阪の教育行政を見ていく必要がある. | ||
- | 大阪の教育行政がひどい,ということに同意するのだけれども,本田由紀さんが書いている通り,学習集団が中学・高校では,偏差値で輪切りにされ,同質的な集団で形成されている状態になっている.大阪は,全体でみるとひどいのだけれども,言ってしまえば金持ち・できる人たちからすると,そういう教育制度が受け入れられているということなのだろうか. | ||
- | (東京支部・川口力丸) | ||
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- | 特集は全体的に,良かったと思う.社会のこのまま行ったらまずいよねという点がいくつかあり,じゃあどうすればいいのかについて,具体的な問題の指摘があって,興味深かった.政治現場での議論では,資本主義の限界を訴える人もいて,私自身その意見を否定するつもりはない.資本主義とは別のシステムが必要だというが,そのための現実的な政策決定については,それほど期待をしていない.実際にどう変えていくのかというのは,資本主義内の産業構造を変えていくのが重要になるのではないかと, | ||
- | (東京支部・川口力丸) | ||
寝屋川では地元住民の反対を無視して操業を始めた再生プラ工場が予測通り一大環境汚染源と化し,住民は操業停止を求めて苦戦を強いられ続けているとのこと.プラごみ排出者の一人として残念である. | 寝屋川では地元住民の反対を無視して操業を始めた再生プラ工場が予測通り一大環境汚染源と化し,住民は操業停止を求めて苦戦を強いられ続けているとのこと.プラごみ排出者の一人として残念である. |
jjs/readerscomments2023.1696222035.txt.gz · 最終更新: 2023/10/02 13:47 by mikasatoshiya