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jjs:readerscomments2022 [2022/12/21 18:22] michinobumaedajjs:readerscomments2022 [2023/03/25 08:57] michinobumaeda
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 ====== 2022年 ====== ====== 2022年 ======
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 もちろん,パリ協定,グラスゴー合意,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)なども,万全でない.2点だけ指摘すれば,パリ協定が依拠するINDC方式は,温室効果ガス削減目標をトップダウン的に割り当てる京都議定書とは異なり,各国の申告する目標をボトムアップ式に積み上げる.聞こえはよいが,下からの自発性に頼るやり方で遠大な目標を達成できるのかという疑問は残る.さらに問題なのは,気候変動対策のためにこそ原発推進という論者が,IPCCの有力委員の中に少なくないことである.今や,CO2を出さない原発というのが原発推進派の最大の謳い文句であり,この動向を見誤ると「原発=エコ」言説を論破できない. もちろん,パリ協定,グラスゴー合意,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)なども,万全でない.2点だけ指摘すれば,パリ協定が依拠するINDC方式は,温室効果ガス削減目標をトップダウン的に割り当てる京都議定書とは異なり,各国の申告する目標をボトムアップ式に積み上げる.聞こえはよいが,下からの自発性に頼るやり方で遠大な目標を達成できるのかという疑問は残る.さらに問題なのは,気候変動対策のためにこそ原発推進という論者が,IPCCの有力委員の中に少なくないことである.今や,CO2を出さない原発というのが原発推進派の最大の謳い文句であり,この動向を見誤ると「原発=エコ」言説を論破できない.
  
-すなわち,IPCCやパリ協定などの国際的枠組みも限界を抱えているが,それに照らして「さえ」日本の環境政策は貧弱ということである.ではどうすればよいか.世界(特にアメリカ)における気候訴訟に関する大坂論文や,四国を中心に実践例を紹介した和田論文と角田・竹本論文は示唆的である.私個人的には,原発とワンセットのものとしてよいイメージを持っていなかった揚水発電が,時間的変動の大きい再生可能エネルギーのバックアップ機能を持ち得るとのことで,認識を新たにした.揚水発電や蓄電所にしても,自然環境や健康への負荷を伴うため,どのように使っていくかは脱炭素社会を構築する上で重要な論点になる.+すなわち,IPCCやパリ協定などの国際的枠組みも限界を抱えているが,それに照らして「さえ」日本の環境政策は貧弱ということである.ではどうすればよいか.世界(特にアメリカ)における気候訴訟に関する大坂論文や,四国を中心に実践例を紹介した和田論文と角田・竹本論文は示唆的である.私個人的には,原発とワンセットのものとしてよいイメージを持っていなかった揚水発電が,時間的変動の大きい再生可能エネルギーのバックアップ機能を持ち得るとのことで,認識を新たにした.揚水発電や蓄電所にしても,自然環境への負荷を伴うため,どのように使っていくかは脱炭素社会を構築する上で重要な論点になる.
  
 本特集は総花的で「まとまりがない」との印象もあるかもしれない.だが「まとまりのなさ」こそが,専門分野を超えた学際的思考を要求する環境問題の特徴なのである.学際研究は口で言うほど容易ではない.だからこそ,専門分野を超えた対話の努力と,そのための「場」が必要なのである. 本特集は総花的で「まとまりがない」との印象もあるかもしれない.だが「まとまりのなさ」こそが,専門分野を超えた学際的思考を要求する環境問題の特徴なのである.学際研究は口で言うほど容易ではない.だからこそ,専門分野を超えた対話の努力と,そのための「場」が必要なのである.
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 <html><h2> <html><h2>
-<a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2022contents.html#m2022-11">2022年11月号特集「リニア中央新幹線計画の中止を求める」全体の感想</a>+<a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2022contents.html#m2022-11">2022年11月号</a> 
 +特集「リニア中央新幹線計画の中止を求める」全体の感想
 </h2></html> </h2></html>
  
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 (福井支部・小倉久和) (福井支部・小倉久和)
  
-==== 第11回JJSオンライン読書会(10月1日)から ===+<html><h2> 
 +<a href="https://jsa.gr.jp/d/jjs/onlinereadersmeeting">第11回JJSオンライン読書会(10月1日)から</a> 
 +</h2></html>
  
 9月号特集「社会的ひきこもりの人々の今日的課題」の論文執筆者,サリネンれい子さんをゲストに迎え,特集論文の概要と書ききれなかったことの報告のあと,参加者との質疑で議論が深められた. 9月号特集「社会的ひきこもりの人々の今日的課題」の論文執筆者,サリネンれい子さんをゲストに迎え,特集論文の概要と書ききれなかったことの報告のあと,参加者との質疑で議論が深められた.
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 <html><h2> <html><h2>
-<a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2022contents.html#m2022-08">2022年8月号を読んで</a>+<a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2022contents.html#m2022-08">2022年8月号</a> 
 +を読んで
 </h2></html> </h2></html>
  
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 (千葉支部・朝生邦夫) (千葉支部・朝生邦夫)
  
-=== 2022年8月号 「辺野古のたたかいが日本の地方自治・法治主義にあたえたもの」に関連して ===+<html><h2> 
 +<a href="https://jsa.gr.jp/04pub/0401jjs/2022contents.html#m2022-08">022年8月号</a> 
 + 「辺野古のたたかいが日本の地方自治・法治主義にあたえたもの」に関連して 
 +</h2></html>
  
 2022年は沖縄の日本復帰50周年である.いま多くの沖縄県民の思いは「こんなことなら日本へ復帰するべきではなかった」である.7月11日投票の参議員選挙では,辛くも伊波洋一さんが議席を守った.運動した私たちの率直な気持ちは,今度は危ない,というものだった.ごり押しの日本政府による埋め立て工事は強行され,ゲート前で抗議する私たちを機動隊が強制排除し工事は進められている.本土からの支援活動もすっかりなくなり,県内の島ぐるみ会議の毎日の抗議動員も中止に次ぐ中止をやむなくしている.抗議の中心メンバーは75歳を越え,月曜から金曜まで毎朝辺野古の工事ゲート前に15名前後が集まるのが精一杯の情況が続いている.ロシアによるウクライナ侵略の痛みを,日本人の中で痛みと共に感じているのは沖縄戦体験を持つ沖縄県民だろう.しかし,昨年の名護市長選挙で見たとおり,日々の家族の生活のためには保育料を無料にし,給食費無料化,高校生までの医療費を無料にするという政府の県民分断策に,貧しさに耐えてきた名護市民の「背に腹は代えられない」という投票行動につながった.私たちは,たとえ一人になろうと諦めずにたたかう.もう一度,地元市民の平和への想いを全国で共有していただきたい. 2022年は沖縄の日本復帰50周年である.いま多くの沖縄県民の思いは「こんなことなら日本へ復帰するべきではなかった」である.7月11日投票の参議員選挙では,辛くも伊波洋一さんが議席を守った.運動した私たちの率直な気持ちは,今度は危ない,というものだった.ごり押しの日本政府による埋め立て工事は強行され,ゲート前で抗議する私たちを機動隊が強制排除し工事は進められている.本土からの支援活動もすっかりなくなり,県内の島ぐるみ会議の毎日の抗議動員も中止に次ぐ中止をやむなくしている.抗議の中心メンバーは75歳を越え,月曜から金曜まで毎朝辺野古の工事ゲート前に15名前後が集まるのが精一杯の情況が続いている.ロシアによるウクライナ侵略の痛みを,日本人の中で痛みと共に感じているのは沖縄戦体験を持つ沖縄県民だろう.しかし,昨年の名護市長選挙で見たとおり,日々の家族の生活のためには保育料を無料にし,給食費無料化,高校生までの医療費を無料にするという政府の県民分断策に,貧しさに耐えてきた名護市民の「背に腹は代えられない」という投票行動につながった.私たちは,たとえ一人になろうと諦めずにたたかう.もう一度,地元市民の平和への想いを全国で共有していただきたい.
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 (沖縄県・村上有慶) (沖縄県・村上有慶)
  
-=== 民主主義と人権 ===+===== 民主主義と人権 =====
  
 かつて栃木県下都賀郡にあった谷中村は1906年強制廃村となり,藤岡町に合併させられた.多くの住民は近隣の町村に移住したが,一部の人々は県北や遠く北海道佐呂間に移住した.ただ一部は藤岡町の南端に新しい下宮地区を作って移り住み,子どもたちは田中正造の分骨埋葬地があった北川辺西小学校に通った. かつて栃木県下都賀郡にあった谷中村は1906年強制廃村となり,藤岡町に合併させられた.多くの住民は近隣の町村に移住したが,一部の人々は県北や遠く北海道佐呂間に移住した.ただ一部は藤岡町の南端に新しい下宮地区を作って移り住み,子どもたちは田中正造の分骨埋葬地があった北川辺西小学校に通った.
jjs/readerscomments2022.txt · 最終更新: 2024/05/14 14:32 by mikasatoshiya

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