JSA

  瀬戸内委員会 

「47・48期のおもな研究テーマや活動予定」
 毎年2回程度の委員会と、ほぼ隔年で瀬戸内シンポジウムを継続して開催。第32回シンポジウムは岡山において19総学と連動して開催することを検討している。研究テーマは、瀬戸内の地域、社会、環境の再生の検討。沿岸各支部から参加報告を受け討論している。

活動紹介(「日本の科学者」2005年3月号より) 

住民との連携のもと,地域の問題への学際的な取り組み 

 高度経済成長期の終り近く,瀬戸内海が汚染の極に達した1972年,沿岸各地の科学者は専門の垣根を越え,住民とも手を携えてこの環境危機に立ち向うべく,瀬戸内シンポジウムを開催した.1973年に瀬戸内法が制定され,埋立の原則禁止などがそこに盛り込まれたのは,このような運動の高揚を受けてのことであった.瀬戸内シンポは,この瀬戸内法の実効性の検証などを課題として,その後もl年ごと,あるいは1年半か2年に1回のぺ一スで開かれてきた.瀬戸内委員会はこのシンポを開くことを主要な任務としているが,住民団体「瀬戸内の環境を守る連絡会」(瀬戸環連)との組織的な連携関系を持ち,シンポの開催にあたっては,同会の共催を得るとともに,同会が毎年開催する瀬戸内住民集会には共催者として全委員が参加する.
 2004年3月13・14日,瀬戸内委員会は第26回瀬戸内シンポを開いた.メインテーマは「瀬戸内から拓く永続可能な世界」で,最も非永続的な開発の所産たる大阪湾の巨大埋立地=舞洲を会場に,51人の出席を得た.シンポに先立って行われた大阪港周辺のエコ・クルージングには36人が参加した.同年9月4・5日には第27回瀬戸内住民集会が開かれ,離島などの過疎地の「内発的発展」のあり方について,外来の産業廃棄物によって痛めつけられた香川県豊島を会場として議論した.2005年3月26・27日には,「瀬戸内海の『自然再生』と原風景の保全」をメインテーマとして,東広島市の広島大学で,第27回瀬戸内シンポジウムが開かれる.地域には,住民にとって切実であるとともに,学問的にも意義のある問題が多くころがっている.瀬戸内委員会も高齢化による弱体化の例外ではないが,若い研究者の参加も皆無ではない.若い人々のさらなる参入を期待してやまない.