民間企業技術者・研究者問題委員会

お知らせ

    

ミニシンポジウムのご案内--- 東電福島原発事故から 4 年、いま原発問題を考える ---

日時 2015年3月22日(日)  14時~16時45分   場所:文京区勤労福祉会館 創作室(1 階) 内容: 話題I:私が伝えたい東電福島原発事故のこと 話題提供:出口幹郎氏 (関西民間懇 西明石 9 条の会事務局長) 話題II:原発を描いた最近の小説 話題提供:風見梢太郎氏(東京支部 作家) 参加費:500円(資料代、話題提供者の旅費補助など) [チラシ]

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最近の活動

『日本の科学者』2015年6月号(Vol.50 No.6)「科学者つうしん」〈委員会コーナー〉から

シンポジウム「東電福島原発事故から4年,いま原発問題を考える」

2015年3月22日(日)東京都文京区勤労福祉会館にて2人の報告を基に行われた.第一テーマの「私が伝えたい東電福島原発事故のこと」は,出口幹郎氏(関西懇・元神戸製鋼所)の報告で,事故後の経過をインターネットで徹底的に調査し,被害者の声を聞き,現地を視察することが最も重要(過去の研究開発での鉄則である現場主義)と考え,「3・11」以後毎年東電福島原発周辺を視察した.結局放射能汚染物質の拡散の情報を知らされず,無用な被曝をさせられた住民,その後の経過などから「知れば知るほど,ひどすぎる東電と国の非情さ,棄民政策そのもの」と指摘された.今後この見聞を関西で広く伝えること,および金属工学の知識を生かした調査をする決意が述べられた.

第二のテーマ「原発を描いた最近の小説」は,風見梢太郎氏(東京支部・作家)の報告で,最近の注目すべき小説を批評も交えながら紹介された.特に若杉冽の「原発ホワイトアウト」に続く「東京ブラックアウト」,多和田葉子の「献灯使」,馳星周の「雪炎」,黒木亮の「法服の王国」などは注目すべきものであるとのこと.原発銀座で有名な敦賀市生まれという氏自身も昨年に「原発小説集」を出版,新聞連載小説であった「再びの朝」をこの5月に上梓されるとのこと.是非一読をお勧めする.

この後の討論では,JSAとして原発問題を考える際も「現場に触れる」重要性が確認された.なお,作家が現場を取材すると逆に過剰な期待をもたれ,自由な著作が難しくなるという裏話も初めて知った次第である.
(久志本俊弘)

『日本の科学者』2014年1月号(Vol.49 No.1)「科学者つうしん」〈委員会コーナー〉から

住民による大気汚染濃度の測定運動,研究・教育現場のブラック化をめぐり活発に討論

民間委員会(略称)では,わが国の研究者の6割を占める民間企業で働く研究者や技術者に関わる課題を検討している.年2回の委員会を定例化,委員会開催時にはシンポジウムを開催,多くの方々の参加で討論と交流を深めている.

9月29日のシンポジウムには11人が参加,2氏から報告が行われた.

久志本俊弘氏の報告「ソラダス2012(NO2測定運動)と科学者技術者の社会的役割」では,大阪の住民による大気汚染測定運動を紹介.5~6年ごとに実施し「ソラダス2012」で7回目だが,住民運動が行政を動かし規制強化により汚染が着実に減少していることを確認できたと報告.今回の測定結果を紹介,住民参加による運動の意義を,毎回再確認して運動継続させているなど苦労も紹介された.討論では,測定の精度や解釈,測定結果を住民要求にどう反映しているのかなどの質疑応答がなされた.

酒井士朗の報告「ブラック企業と研究者・技術者」では,「ブラック企業」の労働法無視の行動,名前の由来を紹介.東北大学が「ブラック企業大賞」の対象となった2名の研究者の過労自死の経過を紹介,労働組合が事例を具体的に把握して運動を強める重要性を指摘した.また労働者使い捨てを許す労働者保護法制の規制緩和と,その起点となった日経連の『新時代の日本的経営』(1995年)の狙いに目を向けた闘いの重要性を指摘した.議論では,労働組合のあり方,雇用形態に関わらず一致出来る要求運動の具体化,労働法を学ぶことの重要性,大学労組の組織強化など,幅広い意見の交換がなされた.     
(酒井士朗)

ミニシンポジウムのご案内--生活と労働の場での科学・技術の現状批判--(2014年3月29日(土) [チラシ]

 民間委員会では、わが国の研究者・技術者の約6割を占める民間企業の研究者・技術者に関わる諸問題の検討を進めています。年二回の委員会を定例化し活動していますが、委員会の開催に際しては同時にミニシンポジウムを開催し、多くの方々の参加を得て討論と交流を深めています。

 今回も下記の内容でシンポジウムを開催します。産学連携が強調され、政府が「大学改革」を進めるもとで大学、とりわけ地方大学の現状はどうなっているのか。我が国の科学・技術の将来を担う大学院生は企業活動の現状やあるべき姿をどう考えているのか。また「原発ゼロ」「代替エネルギー確保」の国民の運動が拡がる中で研究者・技術者にはどのような役割が期待されているのか。いずれも貴重な報告です。みなさまお忙しい中ではありますが、ぜひご参加ください。

日時:2014年3月29日(土) 14時30分~16時45分
場所:文京区シビックセンター 4階会議室A
内容:
 話題Ⅰ:地方国立大学における肥大化したハコモノ行政とそのひずみ
     話題提供:粟野 宏氏(委員 山形支部)

 話題Ⅱ:「大阪の原発ゼロ運動」の中での技術者に求められている役割
     話題提供:山本謙治氏(委員 大阪支部)

 話題Ⅲ:いま、企業活動に対して大学院生の考えていること
     話題提供:山沢智樹氏(委員 東京支部)

参加費:無料

 = 世話人からのお願い =
 当日の飛び込み参加は大歓迎ですが、資料準備などのため事前にご連絡いただけると
助かります。

連絡先:酒井(委員会連絡担当) ssakaiあっとjcom.home.ne.jp
    

ミニシンポジウムのご案内--生活と労働の場での科学・技術の現状批判--(2013年9月2 9日(日))

日時:2013年9月29日(日) 14時30分~16時45分
場所:文京区勤労福祉会館創作室(1階)

内容
 話題Ⅰ:ソラダス2012(NO2測定運動)と科学者技術者の社会的責任
    話題提供:久志本俊弘氏(委員・大阪支部)
 話題Ⅱ:ブラック企業と研究者・技術者
    話題提供:酒井士朗氏(委員・東京支部),長田好弘氏(委員長・東京支部)


    

ファンド経営者による野中郁江教授(明治大学)への不当提訴に抗議の声明(『日本の科学者』2013年4月号より)

民間委員会(略称)では,わが国の研究者の6割を占める民間企業で働く研究者や技術者に 関わる課題を検討している.各委員が研究課題を持って活動し,年2回の委員会を定例化,委員 会開催時にはシンポジウムを開催し,多くの方々の参加を得て討論と交流を深めている.

1月14日のシンポジウムは大雪・悪天候にも関わらず18人が参加,3氏から報告が行われた.

久志本俊弘氏の報告「企業の中の技術者・研究者の最近の現場からの報告」では,電機・情 報産業の無法な大リストラと技術開発員の危機,過労死・過労自死裁判に見る技術者の労働実 態,若手層の孤立など問題改善をめざす取り組み経験が紹介され,指導者のあるべき役割など が議論された.

長田好弘氏の報告「未来技術遺産登録4GHz帯進行波管4W75Aとその周辺」では,1950年代はじ めテレビと電話の普及に必要なマイクロ波通信システムとその中核をなす進行波管増幅器が電 電公社(現NTT)通信研究所で開発されたが,その背景,研究所トップの自主技術開発への意気 込み,研究者たちの独創と不屈の努力などが紹介された.科学・技術の現状批判と原発を根本 から問い直すのに有益で欠かせない視点である.

野中郁江氏の報告「APFファンド経営者による学術論文・鑑定書への不当告訴事件」では, ファンドによる横浜ゴムの経営支配,27億円の資金流出問題と労働組合の闘いなど事件の背 景,野中教授が会計学の立場から分析した雑誌掲載論文に対する名誉毀損提訴(5500万円の損 害賠償)の内容とその不当性が詳しく紹介された.委員会では経営者の行為は「表現の自由」 「学問の自由」を無視,研究者を恫喝するもので許し難いとの抗議声明を確認.シンポジウム 参加者の賛同も得て,JSAホームページに掲載した.ご一読され,議論と支援を広げるためにご 協力を.(酒井士朗)

ミニシンポジウム--生活と労働の場での科学・技術の現状批判--(2013年3月31日(日))

日時:2013年3月31日(日) 14時30分~16時45分
場所:文京区民センター 2-B会議室

内容:
 話題Ⅰ:福島原発事故はいまどうなっているのか
    話題提供:下間一成氏(東京支部)
 話題Ⅱ:グローバル競争の中で企業の研究者・技術者の現状は
    話題提供:酒井士朗氏(委員 東京支部)
    

ミニシンポジウム--生活と労働の場での科学・技術の現状批判--(2013年1月14日(月・祝))

日時:2013年1月14日(月・祝日) 14時~17時
場所:文京区シビックセンター 4階会議室B

内容:
 話題Ⅰ:企業の中の技術者・研究者の最近の現場からの報告
    話題提供:久志本俊弘氏(委員大阪支部)
 話題Ⅱ:ファンドの企業支配と労働者攻撃批判論文への不当告訴
    話題提供:野中郁江氏(東京支部)
 話題Ⅲ:未来技術遺産登録4GHz帯進行波管4W75Aとその周辺
    話題提供:長田好弘氏(委員長東京支部)

ミニシンポジウム -- 生活と労働の場での科学・技術の現状批判 part 6 --(2012年3月31日(土))

日時:2012年3月31日(土) 13時30分~16時50分
場所:文京区区民センター3階3-D会議室

内容:
 話題Ⅰ:ソフトウェア労働者の過労自死問題裁判の現状とこれから(仮題)
    話題提供:北口久雄氏(関西民間懇)
 話題Ⅱ:原発廃止に向けて英知の結集を 科学者の社会的責任を考える(仮題)
    話題提供:長田好弘氏(委員長 東京支部)
 話題Ⅲ:緊急レポート いま大阪市でなにが起きているのか(仮題)
    話題提供: 久志本俊弘氏(委員 大阪支部)

ミニシンポジウム -- 生活と労働の場での科学・技術の現状批判part 5 --(2011年10月15日(土))

日時:2011年10月15日(土) 14時30分~17時
場所:東京・文京シビックセンター 5階会議室A
内容:
 話題Ⅰ:原発の‘安全神話’を根こそぎ打ち砕くために何が必要か
    話題提供:長田好弘氏(委員長,JSA東京支部)
 話題Ⅱ:原発事故労働者の実態と放射能汚問題を考える--ビデオ上映を観ながら--
 話題Ⅲ:東日本大震災と情報通信--震災から学ぶもの--
    話題提供:酒井士朗氏(委員,JSA東京支部)

ミニシンポジウム -- 生活と労働の場での科学・技術の現状批判part-4 --(2011年4月30日(土))

日時:2011年4月30日(土) 14時30分〜17時
場所:文京区区民センター 3階D会議室

内容:
 話題Ⅰ: 大震災東北からのレポート(仮題)
    話題提供者:粟野宏(委員山形支部)
 話題Ⅱ: 環境問題と東日本大震災(仮題)
    話題提供者:有須昇(委員東京支部)
 話題Ⅲ: 日本の原子力産業労働者(被爆労働)の実態を考える〜ビデオ上映を見ながら〜(事情により変更有り)
    話題提供者:長田好弘(委員長東京支部)
 話題Ⅳ: 大企業の産業競争力強化のための民主党政権の成長戦略
    話題提供者:藤田実(委員東京支部)

シンポジウム「生活と労働の場での科学・技術の現状批判 part-3」(『日本の科学者』2011年1月号より)

2010年10月10日,東京・文京シビックセンターで標記シンポジウムを開催しました.民間委員会では,毎年2回の定例委員会を開いて,各人が活動方針に沿った活動経験・検討課題の成果を持ち寄って発表・交流を行っていますが,本シンポジウムもそうした活動の一環です.

報告者とテーマは,1) 酒井士朗(委員 東京支部):トヨタ車リコール問題は私たちに何を警告しているか--電子制御化・情報化が進むなかで安全性を考える,2) 西田陽子(委員 大阪支部):田辺製薬契約研究員・苗 登明さんの過労死裁判,最高裁へ要請行動,の2件です.

酒井報告では,ブレーキやアクセルなど安全に直結する機能にまで電子化が進む現状の紹介や最近のリコールの特徴,その中でソフトウェア不具合に起因するリコールが毎年数十件と少なくないこと,安全確保には,運転感覚などの違和感への対応の重要性,設計・開発現場の労働条件改善の緊急性などが強調された.討論では,電子化の交通事故削減への貢献やメーカー任せでない安全確保体制などが話題となった.

西田報告では,中国人ポスドク過労死裁判での大阪高裁の不当判決の撤回を求めて最高裁に上告,8月27日に最高裁に要請行動を行い,事実審理を行わない最高裁に対し,高裁判決が研究業務の質的過重性の立証を理由も示さず避け,医師の証人尋問不採用,事実に基づかない疾病認定など法令違反を犯した不当判決であると強調したことなど,「支援する会」の活動が詳しく紹介された.そして,10月18日に行う2回目の要請行動への協力を呼びかけた.これに応えて東京支部常任幹事の俣野景彦氏が要請行動に,また自らの不当解雇と闘う衣川清子さんが最高裁門前での宣伝活動に参加するなど,連帯の行動が広がった.

(酒井士朗)

ミニシンポジウム -- 生活と労働の場での科学・技術の現状批判 part-2 --(2010年3月14日(日))

日時:2010年3月14日(日)15時〜17時
場所:文京区勤労福祉会館第一・第二創作室(1階)
内容:
 話題 I :「事業仕分け」の功罪
   話題提供者:長田好弘(委員長東京支部)
 話題 II :緊急報告中国人ポスドクの過労死裁判民事訴訟で会社と和解
   話題提供者:西田陽子(委員大阪支部)
 話題 III:ソフトウェア労働、派遣労働、過労自殺について
   話題提供者:久志本俊弘(委員大阪支部)

シンポジウム「生活と労働の場での科学・技術の現状批判」(『日本の科学者』2010年1月号より)

--民間企業技術者・研究者問題委員会の活動紹介--

 2009年10月18日,東京・文京シビックセンターで標記シンポジウムを開催しました. 本委員会では,毎年2回の定例委員会を開いて,各人が活動方針に沿った活動経験・検討課題の成果を持ち寄って発表・交流を行っていますが, 本シンポジウムもそうした活動の一環です.

 報告者とテーマは,1)西田陽子委員(大阪支部):ポスドク・苗登明さんの過労死裁判支援の取り組みとポスドクの労働の過重性, 2)長田好弘委員長(東京支部):衣川清子さん不当解雇・不当判決の撤回をめざすたたかいの意義について,の2件です.

 西田報告では,中国人ポスドク過労死裁判の不当判決を撤回させるため不安定雇用,成果競争による過酷な労働実態を解明.そして「支援する会」の活動を紹介し,協力を呼びかけた.

 長田報告では,衣川清子氏解雇は人格攻撃を武器とした不当解雇であり,憲法・教育基本法を踏まえない不当判決であり,今後大学や研究機関等で広がる危険性を指摘された.そして人格攻撃への機敏な,連帯した反撃の重要性などが強調された. 最後に,シンポジウム直前に行った委員会では,委員会として支援し闘うことを意思統一したと紹介,協力を呼びかけた.

 討議では,専門職の労働実態や権利について裁判官の理解を深める重要性の指摘や裁判への貴重なコメントも出され,議論が深められた.

 毎回の委員会で,居住地や所属団体での活動を含め幅広い交流を行っているが,今回は特にS委員がイベントへの誘いかけを通して2名の会員を拡大した経験が報告され,拡大の議論も大いに盛り上がった.(酒井士朗)

『日本の科学者』Vol.45 No.1(2010年1月)「科学者つうしん」<委員会コーナー>より

最近の活動(「日本の科学者」2003年5月号より)

民間企業会員 合宿討論会へのおさそい

 当委員会が毎年行っている合宿討論会。今年は 例年より若干遅く、5月31日〜6月1日に熱 海で開催する予定です。最近の合宿では、討論 内容にタイトな枠をはめずに、ざっくばらんに意見交換を行っていますが、環境、知的財産、最近の国家プロジェクトの動向、技術者教育といった話題を中心に討論をすすめようと考えています。討論会の後は、お風呂とお酒でリラッ クスした時間を過ごし、夜がふけるまで語り合 うのが毎年のスタイルです。
 一人一人の研究者が職場でぶつかる切実な問題を論ずることもあれば、数年前に定年を迎えたOB会員の同窓会となる場面もあります。
 新しいメンバーがこの会の活動になかなか根付かないのが、長年の悩みです。将来民間企業に就職しようと考えている理科系の院生会員、企業で技術者として働いている(特に若手の)会員の皆さん。合宿討論会をのぞいてみませんか。
    参加費:1泊2食 ;1万円
    討論会のみ;5百円
    締め切り:4月20日
 ご希望の方は、事務局へご 連絡ください。詳しい情報をお知らせします。
(締め切りが近いので、早めにご連絡ください)
 合宿以外にも神奈川と関西で懇談会が活動しています。いずれも月一回程度の例会を軸に、会員の交流を図っています。こちらについてもご
連絡いただければ情報を差し上げます。