2014年3月1日(土)にお茶の水で第2回研究会学習会を開催し,畑明郎氏「福島第一原発汚染水漏れ事故」,後藤髣Y氏「チェルノブイリ,現実の世界」の二報告をもとに討論を行った.
畑報告は,東電による汚染水対策が場当たり的でその場しのぎに終始し,「失敗の連鎖」を招いている実態を指摘.約40年にわたって実施され大きな成果をもたらした三井金属神岡鉱山・六郎亜鉛電解工場(イタイイタイ病原因物質カドミウムの発生源)の土壌・地下水汚染対策の経験を踏まえ,重金属汚染と放射性物質汚染との相違はあるものの,地下水汲み上げのためのサブドレーン井戸の復旧,原発敷地全体の地質,地下水位,土壌・地下水汚染のボーリング調査の必要性を訴えた.汚染源は爆発事故で敷地内外に散乱した放射能汚染がれきや粉じん,事故後の降水など多岐にわたる故である.その上で敷地に流入する地下水のカット方法,遮水壁の設置場所,揚水井戸設置場所,汚染水処理方法と貯蔵方法などの総合的で抜本的な対策を急ぐべきだと主張した.また放射能汚染木材チップ不法投棄問題(滋賀県高島市)にも言及があった.
後藤氏は,露文・英文図書(氏による翻訳書を含む)を手がかりに,事故の事実経過,避難の実態,健康被害をとりあげ,福島との比較を行った.質疑では,各年齢層別の被爆後経過年数に依存する白血病の発生確率,がん発生確率等について意見が交わされた.
研究会では,これまでの2回の報告者を中心に,秋の20総学では分科会を構成する予定である.
(北山雅昭)