「ファンド規制と労働組合研究会」は,近年,投資ファンド等による企業支配が深刻な問題 を引き起こしている中で,実効性のあるファンド規制の検討と確立をめざす研究会です.研究 会には,ファンド問題に関わる研究者,労働組合の仲間,ジャーナリストが参加し,毎回,詳 細な報告と活発な議論が行われています.
その第10回研究会が,5月18日(土)に明治大学で開催されました.
今回は,3つの研究報告が行われました.
1)野中郁江氏による「事例昭和ゴム:株価低下を前提とするファンドへの第三者割当のしく み〜ファンドはどのようにして不当な利益を獲得したのか〜」,2)三和裕美子氏による「ファ ンド法制の枠組み―金商法を中心に」,3)吉沢壮二朗氏による「オリンパス事件とファンド@ ファンドを用いた不正会計『損失分離スキーム』」が,報告されました.
報告では,ファンドによる不当な利益獲得やファンド法制の不備が指摘され,改めてファン ドに対する規制強化が必要であることが議論されました.
その後,研究会として取り組んでいる諸活動の報告として,@金融庁への要請行動(4月26 日)の様子,A現在進行形でファンドとたたかっている昭和ゴム,アデランスから職場の報 告,BAPFによる不当提訴(野中裁判),Cこれまでの研究会の成果をまとめて出版する計画に ついての報告が行われました.
次回第11回研究会は,6月22日(土)に明治大学駿河台キャンパスで開催予定です.(山ア真 理子)