JSA

  日本科学者会議創立40周年記念国際シンポジウム
  アジアにおける科学・技術の交流、協力 III

  THE THIRD INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON
  EXCHANGE AND COOPERATION OF SCIENCE AND TECHNOLOGY IN ASIA (ECSTA III)
        2005.12.11 早稲田大学戸山キャンパス

     FIRST CIRCULAR
 日本科学者会議は創立40周年を記念して、国際シンポジウム「アジアにおける科学・技術の交流、協力」(ECSTA)を2005年12月11日、早稲田大学戸山キャンパス36号館382 AV教室において開催しますので多数ご参加ください。お問い合わせは日本科学者会議事務局(TEL 03-3812-1472、FAX 03-3813-2363)で承ります。

       趣  旨
 本年2005年は広島・長崎での原爆投下60周年、日本の第2次世界大戦敗戦60周年にあたります。日本科学者会議は1995年12月に国際シンポジウム「アジアにおける科学・技術の交流、協力」を開き、アジア各国から多くの講演者を得、今後の方向性を議論しました。現在、情勢は当時と大きくことなり、経済的、文化的、学術的交流はますます活発となっています。しかしながら、政治的には、日本の指導者は日本の戦争責任をいまだ真摯に認める状況ではなく、中国、韓国から不信感の表明が後を絶ちません。このシンポジウム開催の初期の趣旨はいまなお意義深いものと考えます。それはつぎのように述べています。
 《日本がかつて50年前に侵略していたアジアの国々は、現在では多くの留学生、研究生を日本の大学、研究機関に送っています。いま、日本の大学院課程ではそれらの国の学生の比重が特に高くなっています。また、我々、研究者、技術者の仲にはそれらの国に赴き、科学・技術の交流・協力。援助をすすめる人も増加しています。しかし、我々が協力・交流する際に、その理念の欠如もまた問題にされています。それは、現場の研究者の共通の悩みでもあります。》
 《一方では、アジアそれぞれの国の50年は、それぞれ特殊的過程を辿ってきました。各国の事情が経済学、国際政治学、歴史学等の参加によって、視野のひろい、深い分析にもとづいて、対等に議論される必要があります。日本の技術のそれらの国への移転は、アメリカのアジア支配戦略のもとで多国籍企業等の進出となっていますが、その経済侵略でODAが民衆や研究機関に届いていないなど、科学・技術援助がゆがめられている面もあります。科学者のなかで特に女性であるがゆえに大きな困難を負っているなどの人権問題もあります。それらの諸国を含むAPEC地域は、メ世界経済の牽引車と期待されているモだけに、その民主的・自立的発展の方途を相互に探る必要があります。》
 《このようなアジアにおける交流、協力の理念、あり方を考える前提として、過去に日本がアジア諸国を軍事的に侵略してきたことを冷厳な事実として認識することです。被害を被った国々の人権、文化は侵され、科学・技術の発展は歪められ、いま、その自立的発展方向を模索せざるを得ない状況に置かされているとも考えられます。明治以来の「脱亜入欧」という日本的やり方は決して過去のものではありません。その積極面、否定面を含めて具体的実像を明らかにし、それを掲げた日本支配層の行動の総括なしには、アジアの将来あるべき姿も浮かびでてこないでしょう。日本の戦争責任にもとづいた賠償問題が提起されるのも当然です。》
 《侵略戦争終結50年の節目にあたるこのシンポジウムでは、正面からこれらの問題を議論し、アジアにおける科学・技術での協力、交流の新しい理念を打ち立てようとするものです。こうして、日本の責任と、アジアを中心とする国々の自発的発展をめざす各国間での科学・技術の国際協力・交流のあり方を科学者の立場から考えたいと思います。》
 《こうして確立される理念は、全地球的規模での科学・技術の協力、共同の理念の構築に大きく寄与するに違いありません。》

     プログラム
12月11日(日曜日)
09:00-09:30 開場・受付
09:30-09:50 開会挨拶:(日本科学者会議代表幹事)
09:50-10:00 歓迎挨拶
●セッション A:パネルディスカッション
10:00-12:30 「持続可能社会を実現するために」
 座長 竹内 智(山梨大学)
 パネリスト
「中国における環境問題」 厳 網林(慶応義塾大学)
「『持続可能な開発』概念の再検討」 舘野 淳(中央大学)
「多文化共生の環境思想」 南 有哲(三重短期大学)
12:30-14:00 昼食休憩
●セッション B:「世界の中のアジア」
 座長 大日方純夫(早稲田大学)
14:00-15:00 「西洋化とアジアのアイデンティティ」(仮題)
Irfan Habib(Aligarh Muslin University, India)
15:00-16:00 「アジアと日本」 宮地正人(国立歴史民俗博物館)
16:00-16:10 討論のまとめ 北村 実(早稲田大学名誉教授)
16:10-16:20 閉会挨拶:(日本科学者会議代表幹事)

参加費(資料代)
一 般   3,000円
学生・院生 1,000円

    組織委員会
委員長 北村  実(早稲田大学名誉教授、日本科学者会議代表幹事)
副委員長 五十子満大(日本科学者会議事務局長)
伊藤 達夫(日本科学者会議事務局次長)
岩本 智之(日本科学者会議事務局次長)
事務局長 西岡 啓二(日本科学者会議国際部)
委員 青木 和光(日本科学者会議国際部)
市原あかね(金沢大学)
大淵 智勝(日本科学者会議国際部)
北村  浩(日本科学者会議国際部)
肖   健(日本科学者会議国際部)
鈴木 勝久(日本科学者会議国際部)
竹内  智(山梨大学)
堤 れい子(日本科学者会議神奈川支部)
東崎 健一(千葉大学)
野中 昌法(新潟大学)
野津 祐三(日本科学者会議国際部)
湯淺 精二(日本科学者会議国際部)
吉木  健(日本科学者会議国際部)
主催 日本科学者会議
〒113-0034 東京都文京区湯島 1-9-15 茶州ビル 9階
Tel 03-3812-1472  Fax 03-3813-2363
      E-mail mail@jsa.gr.jp URL http://www.jsa.gr.jp

 

アジアの平和と繁栄を目指して−東南アジア友好協力条約の意義

共催:日本科学者会議(JSA),日本AALA連帯委員会
後援:歴史科学協議会,歴史教育者協議会,日本中国友好協会,日本ベトナム友好協会


 1976年ASEAN加盟国は東南アジア友好協力条約(TAC)を調印し、加盟国の主権と領土を尊重すること、内政不干渉・紛争の平和的解決を誓いまし た。中国とインドが調印し、ロシアも2004年に加盟する意向を表明したことによって、条約加盟国は大きく広がり、日本も加盟を約束せざるを得ない状況と なっています。背景には、日本の経済交流の主軸が欧米からアジアに移行しつつあること、そして中国の発言力の増大が日本に危機感をもたらしたといえます。 シンポジウムは条約の今後を注視するよい機会となるでしょう。
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日時:2004年6月20日(日) 10:00〜16:20
場所:慶応義塾大学三田キャンパス 大学院棟313教室
  ◎交通:JR山手線,京浜東北線 田町駅下車(徒歩約8分)
        都営地下鉄浅草線,三田線 三田駅下車(徒歩約7分)

プログラム

9時30分 開場

午前の部:東南アジア友好協力条約成立の歴史的背景

10時 開会挨拶 秋庭稔男 (日本AALA連帯委員会理事長)
10時10分 「条約」チュートリアル
10時50分 柳沢 遊(慶応大学教授)
「戦後日本−東南アジア経済関係の形成」
     質疑応答

午後の部:東南アジア友好協力条約の実際と今後

13時  堀中 浩(明治大学名誉教授、日本AALA連帯委員会副理事長)
「『東南アジア友好協力条約』をめぐって」
14時  大西 広(京都大学教授)
「中国と東アジアから見た拡大東南アジア友好協力条約の意義について」
15時  質疑応答
16時  閉会挨拶 北村 実(早稲田大学名誉教授、日本科学者会議代表幹事)
16時10分 閉会