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 いま、核兵器の廃絶! 逆流を越えてさらに大きなうねりを
 ―原水爆禁止2005年世界大会・科学者集会の開催にあたって―

 
 今年、2005年は被爆60年です。長年たたかい生き抜いてこられた被爆者の方々、平和を求める世界中の人々にとって、大きな節目となる重要な年です。
 5月に開催された核不拡散条約(NPT)第7回再検討会議に向けては、前回の2000年再検討会議で確認された核兵器廃絶の「明確な約束」の具体化を迫るさまざまな運動が前進しました。日本原水協は核兵器全面禁止条約の実現などを含めた「各国政府への提言」をおこない、世界平和アピール7人委員会も核保有国に核兵器廃絶の真摯な努力を要請しました。南半球のほとんどを占める非核地帯条約加盟国は国際会議を開いて「宣言」を採択し、核兵器保有国に核軍縮義務の履行を迫りました。秋葉忠利広島市長はこの席上、「2020年までに核兵器を廃絶する」ための展望を示しました。新アジェンダ連合や非同盟諸国も核保有国に核兵器廃絶行動を求めました。開催地のニューヨークには、核兵器廃絶を求める世界の市長たち、NGO、労組代表、平和活動家、青年、学生が集まり、日本からは1000人以上の代表団が訪れました。日本原水協代表団は「いま、核兵器廃絶を」の500万人を超える署名をNPT議長に手渡し、熱い思いと決意を伝えました。
 しかしブッシュ米政権の妨害により、核兵器廃絶の「明確な約束」の具体化は成りませんでした。妨害の背景にはブッシュ米政権の新核戦略があります。ブッシュ米政権は核兵器予算を増大して「使える」新型核兵器の開発を推進し、柔軟で効率的な核兵器生産体制の構築と核兵器設計技術者の新たな養成を計画しています。それにもかかわらず、再検討会議へ向けての運動と再検討会議全体の経過はもはや核兵器廃絶を求める世界の流れを逆転できないこと示しています。
 日本政府は対米追随姿勢をつづけ、米政権の核戦略を容認し、米軍とともに海外で戦争ができるように憲法改悪を企てています。これは日本を徴兵制や核武装の道へ引きずり込むきわめて危険で非人道的な状態をつくりだすものです。日本政府が対米従属姿勢を断ち切り、核兵器廃絶のためのイニシアチブを発揮し、憲法9条を遵守し、核兵器のない平和な世界の構築に誠実に努力することがいま強く求められています。
 私たち研究者は科学・技術の成果が戦争目的に利用されることを拒み、社会の進歩と人々の幸福追求に役立つことを願ってきました。そのためにも、「いま、核兵器廃絶」は私たちの切実な願いであり、その実現のために心を同じくするすべての人々と連帯し行動をともにしたいと思います。核兵器製造とその利用をたくらむ一握りの人々の手をいま縛らなければ、人類をはぐくんだこの美しい惑星とここで人間らしく生きようとするすべての人々は絶滅の危機にさらされます。いま科学は何をなすべきか、研究者の役割は何か、大きく問われています。これらのより深い解明を通じて、核兵器廃絶の道筋と運動をより確かなものにしていきたいと考えます。
 核兵器のない社会を求める全国の研究者、市民、学生のみなさん、この集会にぜひとも参加していただきたいと思います。ともに考え、大きな希望をもって、連帯の輪をいっそう大きく広げていきましょう。
2005年5月  科学者集会実行委員長  長田 好弘