教育基本法と科学教育
−子どもの教育基本法を守るためにー
編者/日本科学者会議
編集代表/岩田好宏
創風社刊/本体価格1700円
目次
はじめに
序章 教育基本法と科学教育をめぐって 岩田好宏
第1章 教育基本法成立と科学教育構想 中田康彦
はじめに
第1節 教育刷新委員会発足に到るまでの政策状況
第2節 第一特別委員会の発足
第3節 「科学教育」条項の不成立
第4節「真理の探究」と科学教育
1 「真理の探究」の抽象性
2 真理の探究は教育の自的か過程か
3 「真理の探究」の一時的承認
4 「真理の探究」から「真理の開明」ヘの転換
5 前文からの削除
第5節 教育における生活と科学の結合
まとめにかえて
第2章 敗戦直後の科学教育政策と教育基本法 三石初雄
はじめに
第1節 敗戦直後の「科学教育振興」論と「自主的」「積極的」改革の試み
1「否走的な処置」の実施と「自主的」「積極的」改革の試み
2 敗戦直後の学校教育現場からみた科学教育振興
一文部省による調査報告をもとに一
第2節 戦後初期における総合的教育指針としての「新教育指針」
1 敗戦直後における「科学的精神」論の問いなおし
2 「新教育指針」にみる「科学的精神」論
第3節 敗戦直後の「科学的精神」論と教育基本法
1 「新教育指針」と藤岡由夫の科学教育論
2 藤岡の科学教育論と「新教育指針」
3 敗戦直後科学教育論と小倉の「科学的精神」論
4 「新教育指針」と教育基本法
第3章 民主的精神と科学的精神を目ざして 島崎隆
一教育基本法を支えるもの一
第1節 教育基本法の危機
第2節 「人格の完成」とは何か?
第3節 民主的精神とは何か?
第4節 科学的精神とは何か?
1 基本法成立の背景に関連して
2 科学的精神の限界?
第5節 民主的精神と科学的精神の相補性
第6節 民主的・科学的精神にもとづく授業実践
第7節 新しい科学(教育)観へ向かって
1 科学(教育)観の二段階的発展
2 科学の三側面
3 動的・相対主義的科学(教育)の試み
第4章 教育基本法「改正」論議と科学教育 中田康彦
はじめに
第1節 教育基本法「改正」論議のこれまで
1 代わる教育憲章の要求
2 解釈改正の試み
3 明文改正への強い動き
第2節 近年の教育基本法「改正」論議の特徴
1 「改正」の必要性を調達する手段としての教育振典基本計画
2 政策の総合化が意味するもの
第3節「改正」論がめざす教育像
1 「時代や社会の変化に対応した教育」
2 “期待される人間像”@−−「日本人」−−
3 “期待される人間像”A一「人材」一
4 分裂した国民像
第4節 科学技術政策の展開と「改正」論議の類似性
1 科学技術基本法の制定と付帯決議
2 科学技術基本計画が掲げる科学技術教育の課題
3 重点的資源配分方針の表面化
第5節 科学技術教育の展開と問題点
1 二つのモデル事業
2 機会均等原則との関係
3 科学の矮小化
4 科学技術政策のコロラリーとしての科学教育へ
5 数値指標化の制度体験の弊害
第5章 教育基本法と自然科学教育 生源寺孝浩
第1節「憲法・教育基本法を実践の羅針盤に」をどうとらえるか
1 はじめに一問題提起
2 そもそも羅針盤とは何か
3 「憲法・教育基本法を実践の羅針盤に」とは
4 教育基本法はどういっているか
5 憲法・教育基本法と教育の目的
6 何こそ実践の羅針盤となり得るのか
第2節 自然の教育と教育基本法
一生き生きとした学びを保障するということ一
1 第2節のはじめに
2 「ものとその重さ」の学習で仲間とつながる力をつける
4 最後の仕上げは「空気の重さ」で
5 実践記録だけでは「羅針盤」たりえない
第6章 教育基本法と小学校環境教育実践 大森 享
一行動知をめぐる考察一
はしがき
第1節 住民運動から学ぶ環境教育実践
一「ぼくらはトンポ探検隊・1995年度小学校5年生」一
1 実践事例概略
2 実践事例分析
第2節 子ども達が現実世界に当事者として立ち現れた環境教育実践
一「川に池を掘った子ども達・1999年度3年生」一
1 実践事例概略
2 実践事例分析
第3節 行動知と教育基本法
第4節 行動知を育てる子どもの参画
あとがき
第7章 教材編成の基本を教育基本法から考える 岩田好宏
一教師は子どもたちとどうかかわるか一
はじめに
第1節 教育課程のありかたを探る
1 「かわりだね・はしりもの」探しの意味するもの
2 学習の視点を定めることの意味一生物教育の目標は何か
第2節 教材編成の原則
1 子どもの学びの系統に沿って教材を編成するために
2 教育で教師は子どもとどうかかわるか
3 教材の順次性
第3節 教材単位というものを考えた
1 生物教材を五つのカテゴリーから組立てる
2 五つのカテゴリーから具体的に教材を組むと
3 教材単位
4 教育課程は統一的であってはならない
おわりに
あとがき
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