2005年2月16日、COP3での採択から実に7年あまりの歳月を経て、ついに地球温暖化防止を目指す国際条約「京都議定書」が発効しました。
日本の古都の名を関するこの条約は、持続可能な社会の実現に向けての一里塚となるものです。
21世紀に入ってからも、地球環境は益々悪化の一途をたどってきました。とりわけ、温暖化による影響や被害は世界のあらゆる地域で観測されるようになっています。最近は毎年のように高温年が続き、もう誰もが温暖化の進行を疑わなくなってきました。
我が国でも国民の温暖化問題への関心が高まっており、再生可能エネルギー資源も非常に豊富で、高度な省エネや再生可能エネルギーに関連する技術も持っています。適切な政策を打ち出しさえすれば、京都議定書誕生の国として、日本が温暖化対策を国際的にもリードする役割を果たせることは間違いありません。温暖化問題だけでなく、さまざまな環境問題を克服する上でも国際貢献出来るはずです。
本書では、持続可能な社会、公共事業、廃棄物、有害化学物質汚染、温暖化などの問題をとりあげ、今後の日本のあり方を展望しようとしています。読者の皆さんとともに、21世紀が、人間と自然の健全な関係と人間同士の健全な関係を実現出来るようにしていきたいものです。
目 次
Chapter 1 持続可能な社会に向かって
−移行の道筋を描く−
Chapter 2 ムンバイに旅して思う
−『永続可能な社会』構築への道−
Chapter 3 博多湾の人工島造成事業
−血税のアリ地獄−
Chapter 4 日本の廃棄物とリサイクル問題
Chapter 5 廃棄物焼却処理の発想を克服し、ゼロ・ウェスト実現を目指す
Chapter 6 自動車リサイクルについて考える
−耐久消費財のリサイクルの課題と展望−
Chapter 7 環境科学物質による食品汚染
−メチル水銀による魚介類汚染について考える−
Chapter 8 京都会議後の気候政策の日欧比較
Chapter 9 これからどうなる?
−地球温暖化と京都議定書−
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