JSA

☆日本科学者会議は6月6日の国会における有事3法案強行成立に対し、6月7日に以下の事務局長談話を発表、
  小泉首相、川口外相、石破防衛庁長官、各政党宛に送付、、またその旨報道関連各社に報告致しました。

米国の戦争に協力する違憲の有事3法強行成立に強く抗議し、
早期廃止を訴える (事務局長談話)


 与党3党と民主・自由両党などは、6月6日の参議院において、「武力攻撃事態対処法」「改正自衛隊法」「改正安全保障会議設置法」のいわゆる有事3法を、国民の強い反対を押し切って強行成立させた。私たちはこれに強く抗議する。
 有事3法をこの時期に制定する最大の目的は、日本の領土が外国から攻撃を受けた時の「備え」をするためのものではなく、米軍の起こす海外での戦争に日本が協力するためである。このことを裏付けるように、有事3法の成立を受けて、小泉首相は、国会の会期を延長して「イラク復興支援」に名を借りた自衛隊イラク派遣のための特別措置法案を提出する方針を決めた。
 このような形での海外での軍事協力は、およそ現在の日本国憲法が否定している事態であり、従来日本政府が違憲としてきた「集団的自衛権」の発動に相当することは明らかである。有事法制の本質がこのようなものであることは、憲法や国際法を専門とする法学者を含む多くの日本の科学者がこれまで繰り返し指摘し警告してきた通りである。
 私たちは、当面、上記「特別措置法案」の国会提出に強く反対する。そして、今後、「成立」した有事3法の発動を許さず、速やかに廃止することを求める。そのための国民的な共同を着実に進めることをここに訴えるものである。


     2003年6月7日
                                   日本科学者会議事務局長 片平洌彦