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中東湾岸戦争に反対する緊急声明

 日本時間17日未明,米国・英国・フランス・サウジアラビア・クウェート5カ国からなる多国籍軍は,イラク・クウェート内の軍事施設に大規模な爆撃を開始した.これに対し,イラク側は米国・イスラエル・サウジアラビアに対し徹底抗戦を表明している.戦争の直接の元凶は,イラクによるクウェート侵略にあるが,同時にこのような武力行使は,紛争の平和的解決を求めていた国際世論に真っ向から背く行為であり,許されるべきものではない.プッシュ大統領は,開戦の理由として@国連が武力行使を認めたこと,A経済制裁だけでは不十分と判断したこと等をあげている.しかし,前者の国連決議は,安保理事会の決定ではあるが,国連憲章の精神と各条文に違反しており,国連自体の自殺行為にもなりかねないものである.また,経済制裁が不十分かどうかは,憲章上は安保理事会が認定する事柄であり,各国が個別に決める問題ではない。
 イラクにクウェートから完全撤退させた後に,パレスチナ問題を含むアラブ・イスラエル問題の包括的解決めざす平和的外交努力を尽くすことが必要なのである.しかし,日本政府は,安保理事会の武力行使容認の決議を支持しただけでなく,今回も米国の行為に「確固たる支持」を表明した.
 我々は,米国・イラク・日本国政府等のこのような行動に抗議するとともに次のことを要求する.
 米国をはじめとする多国籍軍は,戦争をただちに中止し,平和的解決をはかること.
 イラクは,ただちに無集件でクウェートから撤退すること.
 日本政府は,戦争への支持をただちに中止し,平和的解決のためにあらゆる努力をはらうこと.
 @国連安保理事国をはじめ関係各国に対し,平和的解決のためあらゆる努力をはらうよう要請すること.
 A多国籍軍に対する財政追加支援,難民救済での自衛隊検使用,PKO(国連平持軍)への参加等日本国憲法に反する計画を中止すること.
  1991年1月18日
  高知県憲法を守る会・科学者会議高知支部・高知空襲と戦災を記録する会・高知県教職員組合・高知県退職教職員連絡協議会・高知宗教者平和協議会・高知県歴史教育者協議会・高知県高齢者退職者協議会