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    弓削学長宅狙撃事件に関する日本科学者会議事務局長談話

 今回,フェリス女学院大学学長弓削達氏宅に2発の凶弾が撃ち込まれましたが,当日書斎で研究中の同氏に対して発射されたもので,単なるいやがらせ以上の,生命身体の殺傷を狙ったものです.

 これは同学長ら4名のキリスト教主義教育を行う大学の学長の大言祭に反対する声明に対するテロとして実行されたものであり,大嘗祭に反対する広範な国民に対する暴力的挑戦であると断ぜざるをえません.

 大嘗祭は皇室神道による私的な宗教行事であるにもかかわらず,数府はこれを公的行事として国費を使用して行おうとしています.それは,現在の象微天皇制を戦前の神権天皇制にひきもどそうとする行為であり,この行事に反対する4学長声明は全く道理に力なったもので,現憲法のもとで国民から広く支持されるものです.

 日本科学者会議は,1989年12月に,即位の礼・大嘗祭を利用した憲法違反の行為を許さず,戦後培われた国民主権と思想・信条・良心の自由擁護のために行動する決意を表明していますが,今回の問答無用のテロ行為に提議するとともに,弓削学長を含む4学長声明を強く支持し,ともに言論の自由と民主主義擁護のためにたたかう決意を,あらためてここに表明するものです.

 1990年4月25日 日本科学者会議事務局長 山口 孝